埼玉新聞

 

<高校野球>狭山ケ丘、創部61年目で初優勝 昌平に5―2 エース清水が2失点完投、金子が決勝点

  • 昌平―狭山ケ丘 初優勝を決め、マウンドに集まって喜ぶ狭山ケ丘の選手たち=23日、所沢市のメットライフドーム

 新型コロナウイルスの感染拡大のため、中止となった全国高校野球選手権と同埼玉大会の代替として開催された夏季埼玉県高校野球大会最終日は23日、埼玉県所沢市のメットライフドームで決勝が行われ、西部地区の狭山ケ丘が東部地区の昌平を5―2で下し、創部61年目にして春夏秋の県大会を通じて初の栄冠に輝いた。

 春夏秋の県大会で初めて決勝に駒を進めた狭山ケ丘は一回、1死三塁から正高の右前適時打で先制すると、二回2死一、二塁で金子が2点適時三塁打を放ち、これが決勝点。四回にも相手失策で2点を加え、エース清水が昌平打線に8安打を許しながらも要所を締めて2失点完投した。

 平沢智太郎監督は、「優勝できたのは試合を重ねるごとに成長してくれた選手のおかげ」と喜んだ。就任3年目、29歳で平成生まれの青年監督は、高校野球の名門・帝京(東京)の出身。今夏、母校が東東京の代替大会を制して2011年以来となる「夏の頂点」に立ち、「負けていられない。次に続くのは自分だと思って臨んだ」と振り返った。

 今大会は新型コロナウイルスの感染拡大によって十分な練習や実戦経験を積めていないことなどを考慮し、特別な方式で行われた。東西南北の各地区大会を実施して、地区優勝校を決定。その後、4校による県大会をメットライフドームで開催した。

 試合は7イニング制で、延長の場合は八回から決着するまでタイブレークを適用した。投手には1週間500球の投球数制限を初めて導入。また、試合は原則無観客とし、政府の緊急事態宣言が再発令された場合などは大会を中止する条件で開幕したが、無事に全日程を消化できた。

 県高野連の神谷進専務理事は、「コロナの影響で選手たちは本調子ではなかったと思う。だが、本気で優勝を目指して戦ってくれたことに感謝したい」と、健闘をたたえた。

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