埼玉新聞

 

<新型コロナ>陽性20代男性、自宅待機中に急変 救急隊出動も保健所が搬送先調整できず「やむを得ない」

  • 幸手保健所=幸手市中

 蓮田市で自宅待機中だった新型コロナウイルス陽性患者の病状が深夜に急変し、市消防本部が救急搬送しようとしたところ、管轄する県幸手保健所が受け入れ先の病院を調整、紹介しなかったことが29日、県議会新型コロナウイルス感染症対策特別委員会で明らかになった。

 蓮田市消防本部によると、10日午前1時10分ごろ、市内在住で新型コロナに感染し自宅待機していた20代男性が呼吸困難に陥ったとして、家族が119番した。市消防本部は防護服を着用するなど感染予防の対策を講じて出動。並行して感染者を受け入れる病院を紹介してもらうため、幸手保健所に連絡した。

 県と市の間では、感染者を受け入れる病院は保健所が調整し紹介することになっていたが、保健所担当者は「夜間で対応に時間がかかる。消防本部で探してほしい」と返答。消防は搬送先を指定されないまま、同2時ごろ男性方に到着した。ただ、時間が過ぎる間に男性の容体が改善。消防が状況を保健所に連絡し、男性も自宅で休むことに了承したため、同2時50分ごろ、男性を搬送せずに引き上げた。

 県は、保健所から男性に緊急連絡先を渡していたとし、「消防隊の感染リスク回避のため先に保健所への連絡が必要だった。陽性判明後短時間だったこともあり、すぐに入院先を調整するのは困難な上、急を要する場合は救急隊に一度救命救急外来に搬送してもらうべきで、やむを得ない対応だった」と説明した。

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