埼玉新聞

 

入学拒否で苦情…男女別学の埼玉県立高校に“共学化”の動き、ポイントを解説 「今も同じでは」相次ぐ声

  • 勧告について学ぶ参加者ら=15日午後、さいたま市大宮区

    勧告について学ぶ参加者ら=15日午後、さいたま市大宮区

  • 勧告について学ぶ参加者ら=15日午後、さいたま市大宮区

 埼玉県の男女共同参画苦情処理委員が8月に、県立高校の男女別学校について早期の共学化を勧告したことを巡って、市民団体「共学ネット・さいたま」は15日、さいたま市大宮区内で勧告の実現に向けた総会・学習会を開催した。総会は非公開、学習会には約20人が参加した。

 学習会では、教育社会学会会員の亀田温子氏が勧告の内容や他県の共学化の状況、女子差別撤廃条約について解説。勧告の特徴として▽入学拒否への当事者による苦情▽女子差別撤廃条約を根拠法に提示▽男子校・女子校で異なる構造を指摘した―ことなどを挙げ、「私の問題なんだと捉える人が出てきた」と語った。

 また、実際に県立高校に勤務する教諭や他県で男女共学化の運動を行う団体関係者も参加し、それぞれの立場からリレートークを行った。

 参加者からは、2002年に苦情処理委員から出された同様の勧告に触れて「03年に『当面は別学維持』と(県教委から回答)されたまま、共学化の動きが止まってしまった」といった声や、男子校について「存在理由があると認識している」とした1983年の県の学制に関する検討報告書を挙げて、「その方針が現在まで続いているのではないか」といった指摘の声が相次いだ。

 共学ネット・さいたまは12日に、共学化の推進を求める要望書を日吉亨教育長に提出。県教委に共学化の検討チームを設けることなどを要望している。

 一方、日吉教育長は9月14日の会見で「県教委としては共学化を進める立場に変更はない。関係する人の意見を丁寧に伺い、今後の方向性を検討する」との認識を示していた。
 

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