埼玉新聞

 

カーブミラー割られる被害相次ぐ…越谷、さいたま・岩槻、三郷、草加で60カ所以上 昨年も被害、住民不安

  • 損壊されたカーブミラー=7日、越谷市大吉

 越谷市など県東部を中心に道路に設置されたカーブミラーの鏡面が割られる被害が相次いでいることが10日までに分かった。被害が確認されているのは越谷市やさいたま市岩槻区、草加市、三郷市の4市で、計60カ所以上に上る。各自治体では損壊したミラーの交換を行うなど対応しているが、被害が見つかった地域の住民からは不安の声が出ている。

 各市などによると、被害はこれまでに越谷市で23件、さいたま市岩槻区で18件、三郷市で10件、草加市で10件のカーブミラーの損壊が確認されている。4月上旬から確認されており、いずれもカーブミラーの鏡面に穴が開けられたり、クモの巣状にひびが入っているような状態だったという。

 越谷市では、5月7日ごろから住民の通報や警察官のパトロールで被害が判明した。市が調べたところ、同月12日までに新川町2丁目、大吉、谷中町2丁目、南荻島で計7件の被害が確認され、市は警察に被害届を出した。

 さらに今月に入ってから10日までに大吉、野島、砂原、新川町1丁目、北後谷、増林2丁目、七左町7、8丁目、三野宮などで新たに計16件の被害を確認。市道路総務課によると、場所はいずれも市街化調整区域で、市は「人目が少なく、防犯カメラの設置も少ないような場所が狙われているのではないか」とみている。また、損壊状況などから「ミラーは石を投げても跳ね返る素材なので、バールや鉄の棒のような物でたたかれるなどしたのではないか」と推測する。

 同市では損壊したカーブミラーの交換を順次行っているが、交換にかかる費用はこれまでに120万円に上る。市では他の場所でも同様の被害がないかパトロールするとともに、住民への周知など防犯面の対策も検討している。

 これまでに3件の被害が確認された越谷市大吉では、近くに住む男性がカーブミラーが損壊しているのを発見し、地面に落ちていた5枚ほどの破片を拾い集めたという。男性は「通学路になっている場所なので、子どもたちが触ると危ないと思った。こうしたことが続くのは不安だ」と話していた。

 県警は被害のあった各自治体から順次被害届を受理しており、連続器物損壊事件の可能性もあるとみて調べる。

 県内では昨年8~10月ごろにもカーブミラーが相次いで割られる事件が発生。県警によると、昨年10月24日時点で、加須市、久喜市、幸手市、鴻巣市、さいたま市岩槻区の5市で計129件の被害が確認されていた。

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