埼玉新聞

 

主任免職…73万円超を着服、4団体の会計を担当 異動で引き継ぎ発覚「私的トラブルでお金使おうかと。実際は使っていない」 全額が弁済されたので、刑事告訴しないことに

  • 【地図】小鹿野町

    73万円着服の職員を懲戒免職=小鹿野町

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 小鹿野町は3日、町の関係団体の事務手続きで不適切な会計処理を行うなどし、計73万5990円を着服したとして、町総務課の30代の主任男性を同日付で懲戒免職処分にしたと発表した。既に全額が弁済されており、刑事告訴はしない方針。

 町によると、男性は産業振興課に属していた2022年度に、長若鳥獣害対策協議会や黄金のかぼす祭実行委員会など、町の4関係団体が保有する準公金の会計事務を担当していた。

 今年4月の異動で後任職員と業務引き継ぎを行う際、団体の通帳記録から不正な会計処理が見つかり、4団体計64万2990円の引き出しが確認された。ほかにも、黄金のかぼす祭実行委員会の会費9万3千円を通帳に入金せず自宅に保管していたことや、31件の未処理(未払い)案件が判明した。

 男性は5月に全額を弁済。「私的なトラブルの関係に使おうと思ってお金を引き出したが、実際には使ってはいない」と話しているという。

 管理、監督責任を怠ったとして、町は3日付で当時の産業振興課長を減給3カ月(10分の1)、同課主幹を戒告、副主幹2人を訓告の処分にした。

 森真太郎町長は「今回の事案は職員個人の問題行動だけでは済まされず、組織としてのチェック体制が機能していなかったことも失態。全庁的に改めて会計事務の適正執行を再確認したい」とコメントした。
 

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