埼玉新聞

 

<新型コロナ>ごみ収集場に感謝のメッセージ 作業員もお礼の返信、住民らと“心のキャッチボール”

  • 住民から送られたメッセージやその時の写真などを持ち「これからも頑張ります」と話す東社長と収集作業員たち=シー・エス・アイ

  • ごみ集積所のごみ袋に張られていた住民からの感謝のメッセージ(提供写真)

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため外出自粛が続き家庭ごみが増える中、感染リスクにさらされながらもごみ収集の作業は休みなく続けられている。伊奈町のごみ収集現場では、住民がそんな作業員への感謝の気持ちをつづったメッセージが複数発見され、作業員がそれに応えて返信する温かい“心のキャッチボール”が行われている。

 メッセージは4月28日から30日までに、5カ所のごみ集積所で見つかった。

 「コロナで大変な時にいつも収集していただき有難うございます」と手書きした紙がごみ袋に張られていたり、「コロナで大変なとき細心の注意を払い作業されてください。感謝、感謝です。住民一同」と印刷された大きな紙がダストボックスに張られていた。

 これに応え作業員が所属するシー・エス・アイ(同町大針)からメッセージのお礼の手紙を集積所に張ったところ、「返事をもらえて感激した」という住民から町にメールが届いた。「ごみ収集がなければ町中があっという間にゴミだらけ。散乱して衛生的にもひどい状態になる。感謝しかありません」。また、手紙とともに手作りマスク数十枚が町に届けられた。

 作業員の荻原悠介さん(26)は「プラスチックごみを持ち上げたところ、手紙が張ってあってすごくうれしかった。気持ちが軽くなって、やる気が出た」と話す。

 町のごみ収集作業を全て引き受けている同社は、クラスターを避けるため4チームに分けるスプリットチーム制を導入。グループ企業の土地に数カ所仮設ハウスを建て、作業員が密にならずに業務ができるよう工夫している。

 東勇社長(69)は「うちが止まったら、大変なことになるので重大な責任を感じている。皆さまの温かい気持ちを励みに、これからも地域住民の方々に喜んでいただけるよう努めていきたい」と気を引き締めていた。

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