埼玉新聞

 

<新型コロナ>出口戦略へ一歩 図書館の再開など、埼玉で緊急事態措置の一部緩和 屋内施設は引き続き閉鎖

  • 埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 県は15日、新型コロナウイルス対策本部会会議を開き、政府の基本的対処方針を踏まえ、現在の県の緊急事態措置の一部を緩和し図書館の利用を再開することなどを決めた。新型インフルエンザ等特措法に基づく緊急事態宣言が出されて以降、県内で措置の一部が緩和されるのは初めて。大野元裕知事は「接触の機会を減らすだけでなく感染の機会を減らすことに成功すれば、より、できることが多くなる」と述べ、感染防止の「出口戦略」へ向け、一歩を踏み出したことを明らかにした。

 県の緊急事態措置の一部緩和では現在、使用停止などを要請している市町村立図書館(床面積1千平方メートル以上)について、適切な感染防止策を講じることを前提に、事前予約による貸し出しを措置の対象外とする。

 県立熊谷図書館、久喜図書館については、出入り口付近に特別に設置した窓口のみの対応とするなど、感染防止策を徹底した上で19日から、予約図書の貸し出しを再開する。さいたま市浦和区の県立文書館は閲覧を予約制とすることや、職員がマスクやフェースシールドを着用するなどの感染防止策を徹底し、19日から、事前予約のあった資料の閲覧を再開する。

 大宮公園や戸田公園、北浦和公園など、これまでも屋外空間については開放していた県内30カ所の県営公園は、利用を中止していた小型遊具について16日から、ポスターや園内放送、密集・密着の防止策などを講じた上で利用を再開する。屋内施設や大型遊具は引き続き閉鎖。また、遠方からの来訪者を避ける観点から、駐車場についても引き続き閉鎖する。

 その他の県有施設は県立図書館などの実施状況を検証した上で、同様の感染症対策手法をそれぞれ定めるなどし、県新型感染症専門家会議などの意見を踏まえ、施設再開に向けた検討を進めるとしている。

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