埼玉新聞

 

<新型コロナ>ウイルス神を送れず…東秩父の「疫病神送り」中止に こんな時だから「やるべき」の声も

  • ヒノキの葉と青竹で作った神輿を担ぎ、「疫病神を送るぞ」などと墨書きした小旗を持って旧村境に向う住民たち=2018年5月13日東秩父村白石

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため各地で民俗行事や祭りが中止されているが、東秩父村白石地区で10日に予定されていた民俗行事「白石の神送り」(県指定無形民俗文化財)も中止が決まった。

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 白石地区は上、中、下の3集落からなり、それぞれ天王様が祭られている。当日は午前中、住民代表がヒノキの葉とサカキ、青竹で「神輿(みこし)」を作り、上の天王様で祭典を行った後、神官と神輿を先頭に「疫病神を送るぞ」「風邪の神を送るぞ」「いじめの神を送るぞ」などと墨書きした小旗を持った住民が、約1・5キロ離れた旧村境まで歩き、槻川の大岩に神輿と小旗を置き、ワラジとフセギをつるし、無病息災などを祈る。

 坂本年区長によると、4月30日夜、行事当番が相談、中止を決めたという。こんな時だから「新型コロナウイルス神を送るぞ」と、「行事をやるべきでは…」との声もあったようだが中止にした。

 これまで続けてきた地域の伝統行事だが、「坂本区長は「(緊急事態宣言が出ている)今の状況では、残念だが仕方ない」と話していた。

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