埼玉新聞

 

<新型コロナ>イオン羽生店、ネット注文した商品を駐車場で渡すサービス開始 ネット上には商品4万点揃う

  • テスト期間中に注文した利用客が訪れ、店員が車内にコメやペットボトル飲料などの商品を積み込んでいた=30日午後、羽生市川崎のイオン羽生店

 イオンリテールは、1日から羽生店でネットスーパーとドライブスルーの機能を掛け合わせた新サービス「ネット予約店頭受け取り」を始める。ネットスーパーで注文した利用者が商品を店舗の駐車場で受け取るサービスで、同社によると同様のサービスを行うのは、大手小売では珍しいという。新型コロナウイルス感染拡大で、需要が拡大するネット注文の宅配業務の低減や、店内で人と人との接触機会の抑制を促進。同店商圏で競合する店舗との差別化も進め、月間600件以上の利用を目指す。

 イオンネットスーパーでは食品、衣料、寝具、小型家電など約4万点を扱う。基本的には注文すると、最速3時間後に店舗から自宅に配達される。

 通常のネット注文を行う際には、会員登録時にあらかじめ配達店舗を設定する。羽生店の新サービスは同設定、または店舗での受け取りを登録する必要がある。

 新サービスの受け取りは1日2回の時間帯があり、当日午前9時までに注文すれば正午から午後3時、午前9時から正午までの注文は午後3時から同6時までの間で受け取れる。受け取り場所は店舗北側にある駐車場内にある。

 新型コロナ感染拡大で外出自粛が進みつつ、食品や日用品の需要も伸長し、家の中で消費する「巣ごもり消費」が拡大。同需要の商品をネットスーパーで注文する件数も急増し、羽生店扱いのネット売上は「4月は前年同月比で1・6倍、会員数は9400人となり同比2倍に増加している」(矢後資彦店長)という。

 ネットスーパーの配達は外注業者で、1日4便出しているが、注文が急増し「対応が追い付かない注文も出てきており、利便性を高めたかった」(同)。そのため注文品を確実に渡すことを重視しつつ、商圏の半径10~20キロの競合他社との差別化も図ろうと、導入の検討を進めてきた。

 30日の正午から事前のテスト期間に注文した利用客が来店し、購入品を引き取った。酒類や食品などをまとめ買いした加須市の男性会社員(47)は「事前に注文すれば、車に積み込むところまで対応してもらえて便利。また利用したい」と話した。

 同社では新サービスを「密閉・密集・密接」を抑え、店内での人同士の接触軽減の一助にもなると説明する。同社では羽生店での取り組みのノウハウを蓄積し、なるべく早い時期に埼玉や北関東3県の店舗、計5~6店舗で実施する方針。

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