埼玉新聞

 

<新型肺炎>手作り銘仙柄マスク人気 着け心地や柔らかな色合い好評 秩父の旅館従業員が着用、販売も

  • 銘仙柄のマスクを着用して勤務する従業員たち=秩父市黒谷の「ゆの宿 わどう」

 秩父市黒谷の旅館「ゆの宿 わどう」は9日から、銘仙柄のマスクを従業員が着用している。同市中宮地町の織物業「新啓織物」が秩父発祥の「ほぐし織り」で製作したマスク。柔らかな色合いや着け心地が好評を呼んでいる。

 新型コロナウイルス対策を考えていた同旅館が同織物に製作を依頼。同織物は試行錯誤しながら、手作りでマスクを開発することに。生地は外側に綿や麻、内側は綿ちぢみを使用した。経(たて)糸がずれないように仮織りして模様から先染めし、仮糸をほぐしながら緯(よこ)糸を織るほぐし織りを用いた。ゴムは自分の顔に合わせて結んで使用できるようになっている。

 同旅館の女性従業員たちは「見た目も良くて、ファンデーションも付かない」などと好評。同旅館を営む町田啓介さん(67)は「4月は昨年より8割減の見込みで、一時休業も考えたが、予約はあるので、銘仙柄のマスクを着用して営業を続けたい」と語った。銘仙柄マスクは好評だったため、旅館内の売店などで1枚税別800円からで販売も始め、人気を集めているという。

 同織物を営む新井教央さん(51)は「マスクが喜んでもらえて良かった。大量にはできないが、要望があれば作っていきたい」と話していた。

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