埼玉新聞

 

<新型肺炎>中3女子、手作りマスク120枚を寄付 得意でない裁縫に挑戦「必要な人に役立てて」

  • 手作りマスクを寄付した萩原朱音さん。手前は萩原さんが描いたイラスト=9日、草加市役所

 新型コロナウイルス拡大により深刻なマスク不足が続く中、草加市立新栄中3年の萩原朱音(すおん)さん(14)が手作りの布マスク約120枚を草加市、越谷市の社会福祉協議会に寄付した。「必要としている人に役立ててほしい」と萩原さんは思いを込めた。

 「この状況が早く収束するために、私にも何かできることはないかなと考えていた」と萩原さん。山梨県の中学生が手作りマスクを同県に寄付したというニュースを知り、「裁縫は得意ではないが、自分も挑戦してみようと思った」という。

 越谷市に住む祖母からミシンと布を提供してもらい、型紙と作り方が掲載された新聞記事を参考に製作した。裁断した4枚のパーツを縫い合わせるなどの作業に最初は時間がかかったというが、数を重ねるごとに製作のペースも速くなったという。

 学校では美術部に所属する萩原さん。「手に取った方に笑顔になってもらえれば」と、得意の手書きのイラストを印刷したカードを手作りマスク一つ一つに添えた。

 製作に協力した母親の真理香さん(44)も「手作りマスクを活用してもらうことで少しでも医療現場などに使い捨てマスクが回るようになればいいね、と話している。本人も学校のことなど不安はあると思うが、応援してあげたい」とわが子の挑戦を後押しする。

 学校の休校が続く中、「友達にも会えなくて寂しい。早く学校で勉強がしたい」とこぼす。それでも、自宅で家庭学習と並行してマスク作りに取り組んでいる。「もっとたくさんの方に使ってもらえるよう、マスク作りを続けていきたい」と萩原さんは笑顔を見せた。

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