埼玉新聞

 

<新型肺炎>県内初のヒト―ヒト感染、埼玉県職員と武南署の警官が感染 県と県警、濃厚接触者を調査

  • 新型コロナウイルス対策本部会議に出席した大野元裕知事=5日午後、さいたま市浦和区

 県は5日夜、さいたま市浦和区の危機管理防災センターで新型コロナウイルス対策本部会議を開催し、PCR検査の結果、行田市に住む60代の男性県職員と上尾市に住み武南警察署に勤務する50代の男性警察官の感染が同日午後4時半ごろ確認されたと発表した。警察官の感染は全国で初。県と県警は保健所の指導を受けて濃厚接触者を調べるとしている。

 2人の症状は5日現在で落ち着いているが、県内医療機関に入院した。

 県によると、男性県職員は熊谷市の県農業技術研究センターに勤務。2月28日に38・5度の発熱があり、29日と3月4日に県内医療機関を受診。肺炎の診断を受けたため5日にPCR検査を実施した結果、陽性と判明した。

 県職員は3日、午前10時から1時間程度出勤した。同居する60代の妻と30代の娘も発熱したが現在は改善したという。

 警察官は交通捜査に従事している。23日に関節痛があり、24日に38度の発熱。25日には県内医療機関を受診したが26日に平熱だったため、同日から3月1日まで出勤した。2月29日には当直勤務に当たった。4日に胸部CTを受け、肺炎が確認された。警察官は22日に上尾市内の施設「東武バンケットホール上尾」で80人程度が参加する同窓会に出席していた。

 武南署は5日中に署内の消毒を実施。県は2人の家族について、速やかにPCR検査を受けさせるとしている。

 警察官が感染したことについて高木紳一郎県警本部長は「保健所などの調査に協力し、一緒に勤務していた職員には休みを取らせ、県民と接触させず、感染拡大防止に努める」と述べた。大野元裕知事は「(中国・湖北省の)武漢市からのチャーター便帰国者以外では県内で初めてのヒト―ヒト感染。本県でも新たなフェーズに入った。積極的疫学調査を行い濃厚接触者を把握し、職員の感染防止に一層取り組む」と対策強化を指示した。

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