埼玉新聞

 

「貧困家庭に食糧を」加須の市職員有志、家庭から募った食品を提供 市、食品の有効活用を企画

  • 市職員代表(右側)から食料品261点の提供を受けるこども食堂応援隊=加須市役所

 「子ども食堂」を応援する加須市の市民グループ「こども食堂応援隊」(内田圭一代表)を支援しようと、加須市役所職員有志が同市職員の家庭から募った食品を提供する取り組みが行われ、15日、市役所で市職員代表が、こども食堂応援隊にまとめて贈呈した。

 「貧困家庭に食糧を」の呼び掛けで行った食品の有効活用企画「第1回加須市役所子育てフードドライブ」で、市こども局子育て支援課が主催した。職員36人とスポーツ振興課から米や調味料、缶詰、カップ麺、レトルト食品、お菓子など多彩な食品261点が寄せられた。

 応援隊は2018年7月の結成で、県内で初めてのサポート組織。内田代表(77)と関根由紀副代表(51)、事務局担当の「地域デビュー楽しみ隊」の鈴木一男隊員(67)を中心に組織している。子どもの貧困問題に取り組む県福祉部とも連携し活動している。

 県福祉部によると、市職員がこうした支援を行うのは、入間市、狭山市、さいたま市に次いで県内4市目になるという。応援隊では市内にパントリー(食品保管場所)を所有していて、「子育てフードパントリー」として活動している。今回の食糧は17日に配布予定だという。

 贈呈式で同市の大橋良一市長は「こども食堂応援隊の皆さんの活動を支援しようと、市役所の中で(食料提供を)呼び掛けたところ、子育て支援でこれだけ多くの食品が集まった。少しでも活動に役立てばありがたい」と話した。

 内田代表は「たくさんの食料品を集めていただき、ありがたい。行政の支援を受けたことで、こども食堂応援隊の活動が公に認められたと感じている。世間の皆さんの協力が得やすくなる。重ねてお礼を言いたい」と感謝した。

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