埼玉新聞

 

横転した軽乗用車から煙、車内に女性が…高校野球部員5人、車両やドア持ち上げ女性救出 消防組合が感謝状

  • 西入間広域消防組合管理者の井上健次毛呂山町長(前列右)から感謝状を贈られた武蔵越生高校野球部監督、コーチ、選手と一川智宏校長(同左)=11月29日午後、毛呂山町役場

 西入間広域消防組合(管理者・井上健次毛呂山町長)は11月29日、毛呂山町岩井の県道飯能・寄居線バイパスで、交通事故で横転した軽乗用車から70代女性を救出した武蔵越生高校野球部と、1年生部員の石上大輔さん(16)、鈴木龍飛さん(15)、長谷川大和さん(15)、吉田祥吾さん(15)、二郷タケルさん(15)に感謝状を贈った。

 同消防組合などによると、11月3日午後3時30分ごろ、3台の車が絡む交通事故が発生。2台の車に衝突、接触した軽乗車が衝撃で横転、女性が車内に閉じ込められた。5人は近くの室内練習場で、練習していたが外から「ものすごい音」がした。駆け付けると3台の車が絡む交通事故で、横転した軽乗用車から煙も出て、車内に女性の姿があった。5人は協力して、車両やドアを持ち上げ、車内から女性を助け出し、救急車が来るまでの間、女性に飲み物を渡し、椅子を用意するなど、救助活動に当たった。

 この日、5人は一川智宏校長、泉名智紀監督、福田泰大コーチと毛呂山町役場を訪れ、井上町長から感謝状を受け取った。井上町長は「迅速な対応、行動に感謝します。これを一つの糧として、世の中の役に立つ人間になってほしい」と言葉を掛けた。

 部員たちは「(いつも)監督、コーチから野球以外のことでも人のために行動できるようになれ、と言われているので、女性を助けられて良かった」などと話していた。

 一川校長は「(今回の生徒のとっさの行動は)学校の誇り」、泉名監督は「(生徒たちは)大きな成長をさせてもらった」と話した。

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