埼玉新聞

 

山田うどんアプリ登場、クーポン券やキャンペーン情報発信 新規ファンの開拓へ 「県民の日」にお得企画

  • 山田うどん食堂が11月から始めたスマホアプリの画面

 「ファミリー食堂山田うどん食堂」を展開する山田食品産業(所沢市)は11月からスマートフォンアプリを初導入した。アプリを通じてクーポン券やキャンペーン情報を発信する。これまでは来店客に紙の無料券チケットを提供し再来店を促してきたが、アプリ活用で新規ファンの開拓と来店につなげる。紙の無料券チケットのウエートを減らす狙いもある。

 構想は今春から本格化。初めての取り組みのため、アプリ開発会社が開発した既成フォーマットをベースに作り、各種費用を抑えた。ダウンロード(DL)し生年月日と性別を入力すると、24時間後に「たぬきうどん・そば」1杯分の無料クーポン券が配信される。誕生月には甘味メニュー「三色雪見だいふく」の無料クーポン券が配信される。

 サイドメニューなどのクーポン券も定期的に配信。季節限定品の紹介、各種イベント情報も随時アプリに送られる。14日の「埼玉県民の日」に合わせたアプリ企画も実施。これらの情報発信を通じて、新規客の掘り起こしを図る。

 頻繁に来店する動機付けになるような仕掛けも設定。店のレジ周辺にある来店確認用のQRコードをアプリで読み込むと「来店スタンプ」がアプリ上で付与される。五つたまると「1コンプリート」と換算され、ギョーザ無料券として使用できる。現在はギョーザだが、人気のモツ煮メニューの「パンチ」など定期的に切り換える方針という。

 コアなファン向けの企画も行う。コンプリートが三つたまると、非売品のオリジナルTシャツが当たる抽選企画に応募できる。

 新規とコアの両ファンとの距離を近づけるため、自社の歴史を紹介するコーナーも設けた。米ニューヨークや、都心部に店舗を構えていた歴史、県内の学校給食を手掛ける実績、店舗拡大が始まった1970年代の店舗デザインなどに加え、公式ホームページでは紹介していないレアな話もアップ。「山田の歴史」を切り口にDL数の増加を狙う。

 従来の集客策は来店客に紙の無料券チケットを配ることによる再来店の促進が主で、新規客の開拓は季節限定メニューの提供や各種キャンペーンの開催にとどまっていた。新規客の呼び込みに注力しようと、11月から多くの人が使用するスマホのアプリに活路を求めた。

 DL数の目標は「毎月千人」だが、開始初月の11月は既に2千人以上がDL。アプリのクーポンの利用が伸びれば、徐々に紙の無料券チケットのウエートを抑制。アプリのクーポンを軸に集客を推進する。

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