埼玉新聞

 

古民家改装、風情ある店舗に ウイスキー“蒸下町”、秩父に英国流パブ開店 町の活性化図る仕掛けも

  • ウイスキーの知識も豊富な(左から)福井雅一店長、吉川由美共同オーナー、バーテンダーの岩崎光太郎さん=秩父市東町のハイランダーイン秩父

 世界的な評価を受ける蒸留所をはじめバーやパブも点在し、ウイスキーの町として人気が高まる秩父市に、英国流パブ「ハイランダーイン秩父」(同市東町)が先月、開店した。共同オーナーの吉川由美さん(38)は「人に会うのが楽しみに思えて、情報発信力のあるお店にしたい。さらに、各店の個性やお酒を回遊して楽しむ『バーホッピング』の文化も育てたい」と話す。

 本店はスコットランドにある、蒸留所巡りをするウイスキーファンの間では有名なパブ併設の宿泊施設。秩父店は日本初の直営店となる。すでにSNS(会員制交流サイト)などで情報が広がり、ベンチャーウイスキー(同市)秩父蒸溜所を見学に来た外国人の観光コースの一つにもなっている。

 本店で働いた経歴を持つ、ベンチャーウイスキーで広報を担当する吉川さんは「ウイスキー"蒸下町"の秩父に、本店のようなパブを作れないか」と考え、3年前から構想を練り、準備に着手。古民家を改装し、ウイスキーの樽材などを使った風情ある店舗を完成させ、約200種類の国内外のウイスキーをはじめとする酒類と食事を提供する。

 福井雅一店長(33)は「ウイスキーを通して秩父の町を好きになってもらいたい」と話す。バーテンダーの岩崎光太郎さん(33)は「お酒とともに英国のパブではおなじみの本格メニューも味わってほしい」と調理にも腕を振るう。

 吉川さんは自らの店舗の魅力発信だけでなく、店や客同士がつながることで町の活性化を図る新たな仕掛けも目指す。「横がつながる『バーホッピング』だから意味がある。店ではイベントやセミナーなども行い、異業種も交わり融合できる拠点にしたい」と意欲をみせた。

 秩父鉄道御花畑駅から徒歩4分、西武秩父線西武秩父駅から同7分。営業時間は平日午後3~11時、土・日曜、祝日午後0時~11時。月曜定休。

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