埼玉新聞

 

<台風19号>3人死傷、住宅浸水480戸 「堤防の多数決壊に驚き」東松山市長が被害状況を説明

  • 決壊した都幾川の堤防。左側の農地や下流の民家が浸水被害を受けた=13日午前、東松山市石橋

 台風19号の記録的な豪雨により、県内で甚大な被害を受けた東松山市の森田光一市長が18日、臨時の記者会見を開き、被害状況を説明した。都幾川など3河川の堤防決壊箇所は5カ所で、3人が死傷し、住宅の浸水被害は約480戸に上った(17日現在)。18日も市内4カ所で71人が避難生活を続けている。森田市長は「警戒レベル5の災害発生情報を発令しても避難しない市民もいたので、『命を守る行動』の情報伝達、啓発活動をしっかりやりたい」と述べた。

 家屋被害の全半壊については調査中だが、葛袋、あずま町、早俣、毛塚などで床上浸水が407戸、床下浸水が72戸に上った。高坂地区の大型商業施設が床上浸水、ガラス損壊などで営業を中止。道路冠水により、29カ所で通行止めが発生したが、早俣地区の1カ所を除き解除した。橋は都幾川の稲荷、鞍掛橋など3カ所で通行止めが続いている。

 河川の決壊は都幾川が神戸大橋の上流、石橋、小剣樋管の3カ所、九十九川が水門上流部、新江川が山王樋管上流部で、計5カ所に上った。森田市長は、これまでも都幾川や市野川で堤防の越水はあったが、「堤防が多数決壊するとは思っていなかったので驚いている」とし、今後も「治水の安全を高めるため、近々の課題として、堤防改修などの要望を県や国に要望していきたい」と述べた。

 決壊箇所の仮復旧は18日までに完了。週末も予想される降雨への対策については、土のうの準備を進め、避難所を計8カ所に開設する。

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