埼玉新聞

 

壊されたカーブミラー100件超 加須、久喜、幸手、鴻巣の30キロ圏内で 同一犯が投石か

  • 割られたカーブミラー=2日、久喜市八甫

  • 現場を調べる警察官=2日、久喜市八甫

 加須市などで路上に設置されたカーブミラーの鏡面が相次ぎ割られた連続器物損壊事件で、被害は加須、久喜、幸手、鴻巣の4市で計109カ所に上ることが2日、各市への取材で分かった。けが人は出ていないが、路上に鏡の破片が散乱した場所もあり、住民は「不安で怖い」と話している。

 県警は投石による同一犯の可能性があるとみて捜査している。

 これまでの被害は加須、幸手、久喜の3市で計65カ所だった。4市で把握している被害は2日までに、加須43カ所、久喜32カ所、幸手と鴻巣がそれぞれ17カ所ずつで計109カ所。被害は約30キロ圏の広範囲に及んでいる。

 各自治体は既に警察に相談しており、被害届を提出する方針。修繕の予備費などを充当し、ミラーを順次修理する。一番被害の数が多かった加須市は現段階で、1カ所の修理に6万円ほど、計約270万円を見込んでいるという。

 被害は9月下旬からとみられていたが、鴻巣では8月27日に住民から通報があった。ミラーが壊されてから住民が気付き、自治体に報告するまで一定時間が経過しているケースもあるとみられる。

 被害現場は人通りが少ない場所が多く、ある自治体の担当者は犯行の手口に触れ「民家から離れた場所、防犯カメラがあまりない場所を選び、暗い夜間に狙ったのではないか」と推測する。

 県警によると、9月25日夜、久喜市所久喜で、近所の女性が「バリン」という音を聞いた直後、自転車で走り去る男を目撃している。

 各自治体は被害を受け、自治会や学校などを通じて、注意や防犯を呼び掛けている。加須市内で被害が集中した大利根地域では、28カ所でカーブミラーが割られていたという。

 近くの幼稚園に子どもが通園しているという30代主婦は「小学校の通学路にガラスの破片が散っているという話も聞いた。幼稚園からのメールでカーブミラーが壊される事件が多発していると知り、不安で怖い」と話していた。

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