埼玉新聞

 

4歳と3歳の娘を刺す…容疑で妻逮捕 2日前、妻と娘は元気な様子「予測できなかった」/松伏

  • 3歳と4歳の娘刺す 容疑の36歳母逮捕=松伏

 6日午前8時20分ごろ、松伏町松伏の住宅で、この家に住む4歳と3歳の女児2人が血を流しているのを、訪れた祖母(64)が発見、祖父を通じて110番した。2人は病院に搬送されたが、命に別条はない。吉川署は娘2人を刺したとして、殺人未遂の疑いで、無職の妻(36)を現行犯逮捕した。「生きていることが嫌になった。子どもが望んだ人生を歩ませてあげられない」などと容疑を認めており、同署が詳しい動機や経緯を調べる。

 逮捕容疑は6日午前7時半ごろ、自宅で長女と次女の上半身を包丁で刺して殺害しようとした疑い。

■夫の相談を受け警察が児相通告

 吉川署や越谷児童相談所によると、夫は5月中旬、妻と娘のことについて署に相談。署は同月14日、妻に虐待の恐れがあるとして同児相に通告した。署は祖父母に監護を依頼し、祖母が保育園の送迎をしていた。

 児相は同月15日以降、定期的に電話や家庭訪問するなどして状況を確認。これまで妻が娘に暴力を振るったなどの虐待は確認されていないものの、支援を続けていた。9月4日に家庭訪問をした際は妻に変わった様子はなく、娘2人も元気だったという。

 同児相の斎藤宏之副所長は取材に「このようなことは予測できなかったが、結果として事件が発生したことは重く受け止めている」と答えた。

 現場は県道沿いの住宅街の一角。近隣には、小学校や高校などもあり、親子連れや下校中の児童の姿も見られた。近隣住民は「まさかこんな近くで」と驚いた様子だった。

 近所に住む主婦(37)は1カ月ほど前、自転車に乗る娘と一緒に歩く母親の姿を見掛けたという。「おとなしいお母さんという印象。子どもになにか話しかけてるようだった。身近でこんな事件が起こるなんて」と声を落とした。

 近隣の主婦(39)は6日午前8時半ごろ、緊急車両のサイレンで騒ぎに気付いた。現場付近には規制線が張られ、「何があったんだろう」と話し、近隣住民たちと不安そうに現場を見つめていた。

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