埼玉新聞

 

親子逮捕…3人で暮らす軽自動車、泥棒し転売の日々 被害額は数百万円か 父と長男が盗み、次男が見張る

  • 押収した車=12日、熊谷署(県警提供)

    押収した車=12日、熊谷署(県警提供)

  • 押収した転圧機=12日、熊谷署(県警提供)

    押収した転圧機=12日、熊谷署(県警提供)

  • 押収した車=12日、熊谷署(県警提供)
  • 押収した転圧機=12日、熊谷署(県警提供)

 工事現場から転圧機を盗んだとして、埼玉県警捜査3課、熊谷、秩父、児玉署の合同捜査班は12日までに、窃盗の疑いで、いずれも住居不定無職の父親(50)と長男(22)、次男(21)の親子3人を逮捕した。県警は昨年1月以降、県北部で工事現場から機械を持ち去るなどの同種被害を約50件認知。被害額は数百万円に上るとみられ、3人が道の駅を中心に車上生活をしながら、盗みを繰り返していたとみて、詳しく調べる。

 逮捕容疑は共謀の上、今年3月3日午後5時~同月4日午前8時半ごろの間、熊谷市塩の工事現場から砂利やアスファルトを押して固める転圧機1台(時価約15万円相当)を窃取した疑い。3人は調べにおおむね容疑を認め、「生活資金や遊興費のためだった」と供述しているという。

 捜査3課によると、昨年1月下旬ごろから県北部で車両の荷台や建築工事現場内から小型建設機械などが盗まれる被害が散発。現場や付近の防犯カメラから3人と犯行の際に使用していた車が浮上し、車両の行動確認捜査などから今回の犯行を特定した。

 県警は、盗んだ転圧機を3人が持ち込んだ買い取り業者から押収。その他に窃取した転圧機や溶接機、工具類などは県内の複数の中古買い取り業者へ売却し、換金していたとみられる。

 3人は夜間や人けのない時間帯を狙い、盗んだ機械などを車に積み込んでいた。父親と長男が実行役、次男が見張り役だったとみられる。車両は次男の名義だった。主に道の駅で車上生活をしていたという。

 県警によると、県内で工事現場を狙った窃盗の認知は昨年1年間で462件、今年1~3月の暫定値では103件あり、関連を捜査している。
 

ツイート シェア シェア