埼玉新聞

 

<知事選>焦点は上田県政の継承か、転換か 16年ぶり新人同士の争い、25日投開票

  • 上田県政の継承か、転換か

 任期満了に伴う埼玉県知事選は25日投票が行われ、即日開票される。16年ぶりに新人同士の争いになった選挙戦には、退任する上田清司知事や立憲民主党など野党4党の県組織が支援する前参院議員の大野元裕氏(55)、元高校教諭の武田信弘氏(65)、NHKから国民を守る党公認で医師の浜田聡氏(42)、元会社員の桜井志津江氏(63)、自民、公明両党が推薦するスポーツライターの青島健太氏(61)の5人が立候補。浜田氏以外は無所属。上田氏が進めてきた県政の継承か、転換かが問われる。投票は午前7時から午後8時(一部地域除く)まで1761カ所で行われ、大勢判明は深夜の見通し。

 17日間にわたる選挙戦を展開した候補者が審判の時を迎える。選挙戦は事実上、大野、青島両氏による与野党対決、一騎打ちの構図となった。

 焦点は4期16年にわたる上田県政の継承か、転換かの選択。上田氏の全面支援を受ける大野氏は「上田知事がやってきた県民のための政治を一番継承したい」と主張し、青島氏は「県政をダイナミックに変え、新しい埼玉をつくりたい」と訴えている。

 選挙戦ではその他、少子高齢化対策や医療・福祉の充実、産業育成、働く女性の支援策、スポーツや文化の振興、県庁舎の建て替え、インフラ整備などで論戦を繰り広げた。

 候補者は最終日の24日、大票田のさいたま市などで懸命に支持を訴えた。

 大野氏は県庁舎建て替え問題を取り上げ、「県庁よりも、高齢者の福祉など皆さんにとってニーズの高いことがある。県民の声を聞く政治をしたい」と強調。最後は地元のJR川口駅で選挙戦を締めくくった。

 青島氏は「子どもたちの未来を最優先で考える県政を。県の基幹産業をサポートし、未来へ向けてインフラを整える。スポーツを県民の健康づくりに」と訴え、JR大宮駅で打ち上げ式を行い、マイクを収めた。

 浜田氏は、受信料を払う人だけが放送を視聴できるようにするNHKのスクランブル化と子宮頸(けい)がんワクチン接種の推奨、武田氏は予算執行の透明化、桜井氏は道路整備の必要性を主張した。

 直近3回の知事選の投票率はいずれも20%台と低調。事実上の与野党対決で16年ぶりに県の新しい顔を決める今回、投票率も注目される。

 7日現在の選挙人名簿登録者数は613万7020人。

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