埼玉新聞

 

禁じられた「虎の牙」広告掲載、容疑で中国人を書類送検 さらに馬の歯を虎の牙と偽る「売りやすい」/県警

  • 幸手署=幸手市上吉羽

 虎の牙の飾り物を販売目的で広告したとして、県警生活経済課と幸手署は15日、種の保存法違反(広告禁止)の疑いで、中国籍の骨董(こっとう)品販売業の男(64)=和光市=をさいたま地検に書類送検した。

 書類送検容疑は2016年9月23日から同年10月4日までの間、インターネットオークションサイトで3回にわたり、虎の牙の飾り物3点を販売する目的で広告した疑い。虎の牙は偽物だったという。

 同課によると、虎はワシントン条約で絶滅危惧種に指定され、環境省が取引や広告を禁じている。男は4、5年前に中国・上海の骨董市でイノシシの牙や馬の歯根を購入。虎の牙と偽って出品し、一部は3千円で売れたという。

 県外の動物愛護団体から6月7日、県警に情報提供があり、告発を受理して捜査していた。県警は7月21日、男の自宅兼事務所を家宅捜索し、動物の牙のようなものが入ったビニール袋2点とパソコンなどを押収した。

 男は「虎の牙を販売するのが悪いことだと知らなかった」と容疑を一部否認。広告の掲載については認め、「虎の牙と言った方が売りやすいと思った」と供述しているという。

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