埼玉新聞

 

桜と競演、迫真の舞い 16人がつなぐ「井上神楽」 中学校で学んだ会員も 秩父・貴布祢神社で例大祭

  • 迫真の舞いを披露する貴布祢神楽保存会員=3日正午ごろ、埼玉県秩父市下吉田

    迫真の舞いを披露する貴布祢神楽保存会員=3日正午ごろ、埼玉県秩父市下吉田

  • 迫真の舞いを披露する貴布祢神楽保存会員=3日正午ごろ、埼玉県秩父市下吉田

 埼玉県秩父市下吉田の貴布祢(きふね)神社で3日に例大祭が行われ、貴布祢神社(井上)神楽が奉納された。同保存会員たちは、サクラの花びら舞い散る神楽殿で迫真の舞いを披露し、多くの観客を魅了した。

 同神楽は、江戸時代に神官の宮川和泉が地元の人々と江戸で手ほどきを受けたのが始まりといわれる。継承者たちは約200年にわたり、下吉田の井上耕地にある同神社に神楽奉納を続けている。古式ゆかしい神事が評され、1977年に県指定無形民俗文化財に登録された。

 例大祭は、午前9時から夕方まで行われ、保存会員が笛や太鼓に合わせて天狐(てんこ)や翁(おきな)の舞などの演目を熱演。神楽奉納後は、県指定無形民俗文化財登録45周年を祝した記念紙や御朱印が限定で配布された。

 保存会員は現在、30~70代の16人で構成。市立吉田中学校で伝承学習を受けてきた卒業生も参加している。竹内勝利会長(69)は「若い人材も育っているので、井上神楽は今後も変わることなく引き継がれていくだろう」と目を細めた。

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