埼玉新聞

 

埼玉県・久喜市、来春の採用募集を前日に中止 市長「市政運営を勘案」 人件費は年間1億5千万円削減見込み 受験者や家族、学校関係者から「なぜ」と問い合わせ

  • 久喜市職員採用試験の受験案内

    久喜市職員採用試験の受験案内

  • 【地図】久喜市(背景薄緑)

    久喜市の位置

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 久喜市が24日から募集を始めた来年4月の職員採用試験で、行政事務職(32人程度)の募集を前日に取りやめていたことが27日、分かった。市は「市政運営全般を総合的に勘案したうえで判断した」と説明。予定していた職員の補充がなくなり、業務負担の増加が懸念されている。

 市人事課によると、久喜市の職員採用試験は、経験者を対象とする秋採用と新卒を対象とする春採用の年2回実施している。募集を取りやめたのは春採用の行政事務職で、23日に市のホームページや交流サイト(SNS)で告知された。5月に募集が始まった秋採用(8人程度)と、春採用のうち土木や建築などの専門職(7人程度)の試験は予定通り実施する。

 市は23日、ホームぺージに貴志信智市長名で「準備を進めてこられた皆様には多大なるご迷惑をおかけいたしますこと、心よりお詫(わ)び申し上げます。今回の決定は、市政運営全般を総合的に勘案したうえで判断したもの」などとするメッセージを掲載した。

 今年4月の市長選で初当選した貴志市長は、大型ハコモノ事業の集中が財政状況の悪化を招いたとして、事業の総点検を行うと宣言。前市長が打ち出していた市役所本庁舎の増築棟建設を白紙撤回している。

 市は優秀な人材を確保するため、近隣の高校や大学を回り、就職フェアにも出展していた。昨年度、春採用の行政事務職は130人が受験。受験者の家族や学校関係者からは「どうして今回募集を取りやめたのか」「来年は採用試験を実施するのか」といった問い合わせが27日現在、数件寄せられているという。

 削減が見込まれる人件費は年間約1億5千万円。ただ、採用を控えたことで職員1人当たりの業務負担は増える見通しだ。職員数は今年4月1日現在、978人。3月末時点で32人が退職している。

 同課は「職員の補充がなくなったことで人手不足が懸念される。業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)化などを進め、負担の平準化を図っていきたい」としている。

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