埼玉新聞

 

夢へ一歩 成長の夏 野球に打ち込んだ3カ月 今春、野球部を創部 通信制高校わせがく夢育 高校野球で夏の大会初出場

  • 試合後のミーティングで悔しさをにじませるわせがく夢育のメンバー=9日、ハレスタ熊谷

    試合後のミーティングで悔しさをにじませるわせがく夢育のメンバー=9日、ハレスタ熊谷

  • 試合後のミーティングで悔しさをにじませるわせがく夢育のメンバー=9日、ハレスタ熊谷

 この春創部したばかりの通信制高校わせがく夢育(飯能市)。夏の高校野球、初舞台は五回コールドと惨敗に終わった。土士田涼生監督(29)は「私も含め甘かった」と実力不足を痛感した。それでもメンバーは3カ月、野球に打ち込み一歩ずつ成長を遂げたようだ。見据える先にある全国の夢舞台へ、真剣に野球に向き合う覚悟だ。

 地域と連携し野球部が活躍する系列の高校に倣い、同校は今年、野球部を創設した。土士田監督は昨年、創部に向け地域の中学校やシニアリーグの指導者に説明に回った。

 ところが、実体がないチームに理解が得られない。「本当にできるのか、人数はそろうのか」。加えて通信高校への誤解も。土士田監督は野球だけではなく、進路実績や指定校推薦、取得できる資格などを説明し続けた。

 何とか9人そろい、創部にこぎ着けた。公式戦春の大会で1勝し、臨んだ夏の大会だった。部員は1年生9人と2年生1人、6月から加わったマネジャー合わせて11人。

 練習は週6日。2回の登校日以外は、終日練習に充てることができる。通信制高校ならでは、野球に打ち込める環境だ。それでもチーム9人が欠けることは許されない。メンバーはけがに気を付けながら、3カ月、厳しい練習に打ち込んだ。

 迎えた夏の初戦。初回こそ相手を0点に抑えたが、二回に大量失点を喫した。土士田監督は「野球人生を懸けて戦ってくる相手を倒さなければいけない。甘くなかった」と悔しさをにじませた。

 試合後に選手、部員に3カ月の活動について話を聞くと、「勉強ができないんです」と入学した理由を率直に話したメンバーは、「チームを勝たせる選手になりたい」と今後の目標を語った。

 「3カ月間とても楽しかった」と振り返った選手は「もともとアクティブではない。今日、熊谷に来るのも本当はあんまり」との本音も。

 出席が足りずに同校に編入したという部員は「みんなといる雰囲気が大好き。毎日部活のために学校に行ってます」と自身の成長を満足そうに振り返った。

 捕手でこの日安打を放った飯田治希主将(1年)は「真剣に野球に集中できる環境。甲子園を目指したい」と入学のきっかけに触れた。今後のチームづくりに向け「チーム内で個人を責めるようなことは、絶対にしない。みんなで話して、どこにも負けないチームをつくりたい」と力を込めた。

 初舞台は惨敗も甲子園という目標へ、一歩一歩夢を育んでいる。土士田監督は「大好きな生徒たちと、甲子園を目指し続けたい」と秋の大会に向け抱負を述べた。

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