アジアツアーに充実感「海を越えてつないでくれた」 アイナ・ジ・エンドが凱旋の東京公演
昨年リリースの「革命道中」の大ヒットも記憶に新しいアーティストのアイナ・ジ・エンドが、ソウル、バンコク、台北を含めた国内外の8都市を回るアジアツアー「PICNIC」の最終公演を東京・渋谷のNHKホールで開催した。人気アニメ「ONE PIECE」の主題歌「ルミナス Luminous」など注目曲のリリースも続き、その勢いはとどまるところを知らない。
公演前に取材に応じたアイナは、初のアジアツアーを充実感に満ちた表情で振り返った。「(私がステージに)出てきただけで『会えたね』みたいな空気感を出してくれるし、拍手するだけじゃなくて、すごい手を振ってくれたり叫んだりしてくれて、リアクションの大きさが日本とは全然違う。お客さんの声が一番の演出になる瞬間が多かった。みんなの声援のおかげで(演奏の)音量も上がっていくっていう、めっちゃいい相乗効果がありました」
台北などで、現地のファンが「革命道中」を日本語のまま合唱する瞬間も印象に残っているという。「『革命道中』は本当にいろんな景色を見せてくれたし、海を越えて人をつないでくれたので感謝でいっぱい。ライブの反応もこれまで一番と言っていいほど燃え上がってくれてうれしかったです」
“凱旋(がいせん)公演”とも言えるこの日のNHKホール公演は「ハロウ」からスタート。ファンに人気の「ZOKINGDOG」では飼い犬の顔をコラージュした演出で会場を沸かせた。
テレビ出演など華やかな舞台での活躍が続いたが、取材では「アイナ・ジ・エンドはもうちょっと内省的で、ソロシンガーとして歌い始めた時はもっと暗い歌ばかり作っていた」とこぼした。
ライブの中盤、そんな自身の原点を確かめるように歌ったのが「粧(めか)し込んだ日にかぎって」だ。
自殺未遂をした友人のことを歌ったこの曲は「へたでもいい。しっかり魂が乗るように届けたい」。そう語った通り、ライブで初めてのピアノ弾き語りで、張り詰めたような歌声が会場を包み込む。続く「革命道中」では衣装を替えて雰囲気も一変。グッとため込んでから放った迫力のある“うなり”声に、ファンの歓声がやまなかった。
終盤で披露した「ルミナス」は、仲間との絆や、さらなる高みを目指す思いを表現した力強い1曲。「『ONE PIECE』の主題歌として書き下ろしたけど、自分の主題歌でもある。ライブで歌うとファンの人と鼓舞し合える楽曲に育ってきた」と取材で語った通り、華やかな光を浴びながら、自信に満ちたパフォーマンスを繰り広げた。
ライブ中、昨年からの躍進ぶりをしみじみと振り返ったアイナ。
「キラキラした人をたくさん見て、いつの間にか自分もキラキラしなきゃいけないな、もうちょっと頑張らないと駄目だろうなとか、そういうことばっかり考えて、私はアイナ・ジ・エンドに置いて行かれそうになりました」
時折声を詰まらせながら、続けてファンへの感謝を語った。「こうやってワンマンライブをするとあなたに出会える。キラキラしていても、いなくてもどっちでもいいと思わせてくれたのはあなたのおかげです。去年、走り抜けたのは、ライブという居場所があったから。今日はほんまにうれしいです」
アンコールでは「ONE PIECE」の女性キャラクターにスポットライトを当てたアニメ作品の主題歌「Blue Shining Star」も披露した。
「キラキラと明るく突き進む『ONE PIECE』の楽曲のイメージをちょっと変えてみようと思った」。そう語っていた通り、スピード感のあるドラムンベースのリズムに乗せた涼しげな雰囲気の楽曲が、彼女の新たな挑戦を感じさせた。(取材・文 共同通信=森原龍介)














