埼玉新聞

 

子どもへの性暴力どう防ぐ…新法が12月施行、埼玉・上尾で制度学ぶ 被害児童は1200人以上、教職員の懲戒も200人超 部活動合宿や個別指導、SNS連絡要求も例示

  • 施行まで半年となった日本版DBS「こども性暴力防止法」への事業者の心構えを伝える行政書士の入沢絵里奈さん=上尾市二ツ宮の上尾公民館会議室

    施行まで半年となった日本版DBS「こども性暴力防止法」への事業者の心構えを伝える行政書士の入沢絵里奈さん=上尾市二ツ宮の上尾公民館会議室

  • 【地図】上尾市(背景薄緑)

    上尾市の位置

  • 施行まで半年となった日本版DBS「こども性暴力防止法」への事業者の心構えを伝える行政書士の入沢絵里奈さん=上尾市二ツ宮の上尾公民館会議室
  • 【地図】上尾市(背景薄緑)

 2024年6月に成立、今年12月25日に施行される「こども性暴力防止法」について学ぶセミナー(こどもみらいネットワーク主催)が上尾公民館で開かれ、子どもに関わる事業者が参加した。講師は行政書士の入沢絵里奈さんが務めた。

 同法は、子どもに教育、保育などを提供する事業者に対し、性暴力を防止する措置を講じることなどを義務付ける法律。イギリスで導入されている制度を参考にしてるため、「日本版DBS(Disclosure and Barring Service)」ともいわれている。入沢さんは「今、なぜこの法律が必要なのか」について、子どもが性被害者となった犯罪件数をデータによって説明した。

 警察庁の統計によると25年の認知件数は5858件で3年連続の増加、過去10年間で最多となっている。そのうち検挙数が2783件1424人で、被害児童は1200人以上に上る。教職員の懲戒処分件数も200人以上となっている。

 具体的な例では、部活動合宿での性加害や学習塾での個別指導中の不適切接触、交流サイト(SNS)での私的連絡要求などを挙げた。そして「こうした被害に遭った子どもたちのトラウマ(心的外傷)が不眠や不登校となど日常生活に支障を来したり、心身に影響を及ぼしている」と同法成立の背景を解説した。

 また、対象の事業者に求められる義務として(1)性暴力を起こさせない仕組み作り「安全確保措置」(2)過去に性犯罪を犯した者が子どもに関わる業務に就くことを防ぐ「犯罪事実確認」(3)性暴力につながる恐れが認められた場合の「防止措置」(4)機密性の高い情報の管理―について説明。事業者が義務対象と認定対象に分けられることも確認した。

 学校や保育所、児童養護施設は義務対象で、学習塾やスポーツクラブなどは認定対象となる。認定を受けることで公式の「こまもろう」マークが使用可能になり、保護者や児童からの信頼の向上や安全の取り組みを可視化できる。認定対象になるための要件や申請の流れについても具体的に話した。

 入沢さんは「子どもの安全を確保するためには平時からの取り組みが大切です。性暴力を起こさないための体制整備が必要。定期的な面談、日常の観察、疑いから重く受け止め、相談室の設置や周知を行ってほしい」と提起した。

 最後に行政書士のサポート内容について、体制整備や各種規定の策定、就業規則など採用プロセスの改定、認定申請、研修の実施などを紹介した。問い合わせは、こどもみらいネットワーク(電話080・2078・6899)。

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