安全対策に埼玉県が本腰 警報、遮断機ない踏切84カ所 対策費用を負担する自治体に補助
埼玉県は警報機や遮断機のない「第4種踏切」の安全対策に本腰を入れている。県内に84カ所残る第4種踏切は通常の踏切に比べて事故率が高く、徐々に減少しているが、地方鉄道の苦しい経営事情や地元住民の反対もあり、安全対策の進みが鈍い。県は本年度から第4種踏切の安全対策費用の一部を負担する市町に対して補助する事業を一般会計当初予算に盛り込み、安全対策を推進していく。
踏切は1960年に全国に約7万カ所以上あった。踏切道改良促進法の施行後、立体交差化や統廃合が進んだ結果、2022年度には半数以下の約3万2千カ所まで減少。遮断機のない踏切も大幅に減少したが、まだ約1割が残る。県内は秩父鉄道で第4種踏切が多く、私鉄で全国最多となる75カ所が存在し、JR八高線にも9カ所がある。
秩父鉄道は第4種踏切を廃止する意向だが、踏切を廃止するには地元の同意が必要。第4種踏切は少しずつ減ってきているが、地元の要望を受けて、死亡事故が起きた第4種踏切を警報機と遮断機のある第1種に変更した場所も。第4種踏切を第1種踏切に切り替えると、1カ所で多額の費用が発生し、継続的に生じるメンテナンス費用も地方鉄道にとっては大きな負担だ。
県は本年度予算で第4種踏切安全対策費補助事業として13カ所分780万円を計上。補助率は市町負担額の2分の1で、補助対象経費は安全対策で簡易遮断機、歩行者などの一時停止および左右確認を促す設備整備に要する経費、廃止踏切の安全対策に要する経費とした。25年度の補正予算では第4種踏切の安全対策を早期に実施する鉄道事業者に費用の一部を補助する事業も盛り込み、14カ所分525万円を計上した。補助率は鉄道事業者負担額の4分の3。県交通政策課は「第4種踏切を廃止できるよう支援したい」と話した。
県交通安全対策協議会踏切事故防止対策部会は25年度に第4種踏切の現状調査を実施し、県交通安全実施計画に第4種踏切の安全対策の実施を新設。第4種踏切は原則統廃合、統廃合できない場合は、第1種踏切へ転換を図っていくとし、同部会で関係する鉄道事業者および市町の協議を支援するとしている。










