埼玉新聞

 

「猫つぐら」?…「置いた瞬間、猫が入りました」と喜びの声が 雪国の民芸を自宅で 埼玉・久喜の太田さん 動物愛護で絵本も

  • 稲わらを編んで猫つぐらを作る太田正志さん=久喜市南

    稲わらを編んで猫つぐらを作る太田正志さん=久喜市南

  • 太田さんが手掛けた動物愛護の絵本の一部

    太田さんが手掛けた動物愛護の絵本の一部

  • 稲わらを編んで猫つぐらを作る太田正志さん=久喜市南
  • 太田さんが手掛けた動物愛護の絵本の一部

 稲わらを手編みしたドーム状の猫用ベッド「猫つぐら」。長野や新潟といった雪国に伝わる民芸品を手掛ける職人が久喜市にいる。「久喜工房」の太田正志さん(68)は、愛猫のために趣味で作り始めたものが評判を呼び、販売を開始。動物愛護の啓発活動にも取り組み、物心両面で猫に安心を与えている。

 「手間はかかるが、ただの稲わらが商品に変わっていくのが面白いし、昔の雪国の生活を追体験できるのも楽しい。技術を伝え、一緒に猫つぐらを作ってくれる仲間を増やしたい」。自宅に構える工房で、太田さんは目を細める。

 長野県白馬村出身。大学卒業後に都内で公務員として働き、結婚後の40歳で久喜市に移住した。定年前、飼っていた愛猫の家を作ろうと動画や本を参考に猫つぐらを製作。長野県栄村などの名産地も訪れた。「売ってほしい」という要望を受けて地域のイベントなどで販売を始め、市のふるさと納税の返礼品にも認定されている。

 材料は加須市の「加須わら細工保存会」の協力を得て調達している。干した稲わらを50センチほどの長さに切りそろえ、ぬらしてつぶす。「軟らかすぎると強度が不足し、硬すぎると加工しづらい。下処理が一番難しい」と太田さん。底部から編み始め、棒状の道具を使って隙間に稲わらを差し込んで膨らませる。1日5時間ほど作業し、1~2週間かけて完成させる。

 保温性と通気性に優れる稲わらの猫つぐらは冬温かく、夏涼しい。かまくらのような狭い空間は、警戒心の強い猫に安心感を与える。高価だが、猫好きにとっての憧れの逸品。購入者からも「置いた瞬間、猫が入りました」と喜びの声が寄せられているという。犬やウサギ、モルモット用のつぐらの注文を受けることもある。

 太田さんが猫つぐらの製作とともに定年前後から始めたのが、不幸な動物を減らすための活動だ。彩の国動物愛護推進員として、ペットロスや多頭飼育崩壊、子猫の里親探しなどを題材にした啓発絵本を製作し、イベントなどで配布。「仕事で文章を書くことが多かったので。愛猫家として、少しでも役に立ちたいから」と実体験を交えながら、小さな命と触れ合う喜びや悲しみを伝えている。

 猫つぐらは、サイズ別で大が2万円、中が1万6千円、小が1万2千円。問い合わせは、メールで太田さん(kukioota@gmail.com)へ。

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