埼玉新聞

 

タイヤ盗難が急増…埼玉県内で昨年超えるペース 背景に価格高騰、専門店も危機感「慣れた人なら20分で4本外せる」 住宅に侵入せず運び出せる“狙われやすさ”

  • タイヤの交換や修理作業をするタイヤガーデン川越店の従業員=11日午前、川越市新宿町5丁目のタイヤガーデン川越

    タイヤの交換や修理作業をするタイヤガーデン川越店の従業員=11日午前、川越市新宿町5丁目のタイヤガーデン川越

  • タイヤの交換や修理作業をするタイヤガーデン川越店の従業員=11日午前、川越市新宿町5丁目のタイヤガーデン川越

 県内でタイヤ盗難被害が増加している。県警が今年1月から4月末までに認知した、敷地内に置いてあるタイヤやホイール窃盗の被害件数は334件で、前年同期より67件増加(いずれも暫定値)。2025年は1016件で一昨年より約2・6倍増加していたが、今年はさらに上回るペースだ。多くが転売目的とみられ、原材料費などの高騰によるタイヤや金属の値上がりなどが背景にあるとされる。

 県警生活安全総務課によると、タイヤやホイールの盗難被害334件のうち、約7割が一戸建て住宅の敷地内で保管されていたものだという。季節によって交換したものとみられ、駐車場や庭など外から目につきやすい場所が多い。犯人側からすれば、住宅内に侵入せずに簡単に持ち運べるため、対象になりやすい。盗まれたタイヤなどは、買い取り業者に持ち込まれるほか、インターネット上の中古品売買サイトやアプリで転売されるケースがあるという。

 タイヤなどの窃盗が増加している一因には、タイヤや金属価格の高騰が背景にあるとみられている。自動車タイヤ、ホイールの専門店を運営する相広タイヤ商会(川越市)の相原広明専務(40)は、原材料や人件費の高騰、円安の影響などを背景にタイヤは年々、右肩上がりで値上がり続けているとして「お客さまに紹介するとき、自分も値段に驚いてしまう」と話す。

 売れ筋である大手国産メーカーのタイヤ(15インチ)1本の販売価格は昨年の約1万5千円から、今年5月時点で1万7千円に値上がりした。値上げの傾向が始まった22年の約1万3千円と比べ、30%増となる約4千円の高騰。今年6月には、さらに最大5%の値上がりを予定しているメーカーもあるという。

 相原専務によると、国産タイヤやホイールの品質が高く「国産タイヤは溝が減ってしまっていても海外に需要がある」として盗難の対象になりやすいと分析。「車に装着されているタイヤでも慣れた人なら20分ぐらいで4本外すことができる。外に保管されている物は、より取りやすいと思う」とし、「タイヤは自動車で最も大事な部品。安全安心に運転するためにも、盗難には気を付けて大切に保管してほしい」と話す。

 同課は、家庭でできる盗難防止対策として、物置など鍵がかかる場所での保管や防犯カメラ、センサーライトの設置を呼びかけている。タイヤを取り扱う店舗で行っている保管請け負いサービスの活用も推奨。また、窃盗犯は時間がかかることや目立つことを嫌う傾向にあるとし、外で保管する場合でも「敷地外から見えない場所に置くことが大切だ」と訴える。

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