埼玉新聞

 

京アニショック自粛ムード、でも今だからこそ「らき☆すた神輿」 聖地から元気を 28日、鷲宮神社で祭り

  • 八坂祭に向け準備する「らき☆すた神輿準備会」のメンバー

 久喜市の鷲宮地域で28日夜、「八坂祭百七十年祭」が開かれる。祭りでは鷲宮神社を舞台にした人気アニメ「らき☆すた」のファンらが、独自の神輿(みこし)を担ぎ地域活性化にも貢献してきた。18日には「らき☆すた」を制作した京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」第1スタジオで放火殺人事件が発生。ファンらは「こういう時だからこそ元気を出したい」と準備を進めている。

 八坂祭は毎年、7月の第4日曜日に開かれる伝統行事。今年で170年を迎える。無病息災を願い、鷲宮神社の通りを、ちょうちんで飾られた山車を引き、夏の夜を彩る。

 神社を舞台にした「らき☆すた」を通じ、祭りは全国区に。通常の山車に加え、ファンらが「らき☆すた神輿」を担ぐ姿も恒例となった。

 ファンの熱気は「聖地・鷲宮」を盛り上げ、街の活性化にもつながった。今年も「らき☆すた神輿準備会」のメンバーは市内外から集まり、春から企画を練り、祭りに向け神輿の制作を続けてきた。

 そんな折、京都アニメーションで放火による火災が発生し、34人が犠牲になる事件が起きた。ファンの間にもショックが走った。

 事件を受け、祭りで行われるステージイベントは自粛を決定。準備会のメンバーからも、神輿も自粛すべきとの声が上がったという。一方、「らき☆すた神輿」を担ぐことで、気分が沈んでいる多くのファンに元気を届けることができる、と神輿を出すことを決定した。

 準備会代表の大木敏久さんは「こういう時だからこそ元気を出したい。感謝の気持ちを伝えたい」と気持ちを込める。

 副代表の渕上誠司さんも「落ち込むのではなく、今だからこそ立ち上がるべき」と語った。

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