大接戦、薄氷の勝利 埼玉・上里町長選 現職の山下氏が3選 新人2氏を破る 次点とわずか152票差 町民は「継続」か「刷新」かの選択で、継続を選ぶ
19日に投開票された上里町長選は、無所属で現職の山下博一氏(78)=自民推薦=が、いずれも無所属新人で会社役員の納谷克俊氏(56)、内田浩氏(62)を破り、3選を果たした。選挙戦は前回675票差だった山下氏と納谷氏の事実上の一騎打ちで、今回も山下氏がわずか152票差で大接戦を制した。町民は「継続」か「刷新」かの選択で、継続を選んだが、三つどもえだった前回同様に新人2人の票を足すと現職を上回っており、薄氷の勝利だった。
19日午後10時半過ぎ、同町神保原町にある山下氏の選挙事務所に当選確実の知らせが伝わると、集まった支持者からは大きな拍手と歓声が湧いた。山下氏は「厳しい選挙だったが、皆さんのおかげで当選できた。政策を訴えてきた成果が出た。これからの3期目も4年間しっかりやっていきたい」と喜びを語った。
山下氏は県内町村初の保育料完全無償化や学校給食費無償化など、2期8年の実績を強調。「将来を見据えた投資は必要」とし、物流拠点整備などを掲げた。組織力を生かした選挙戦を展開し、前回の5716票から上積みした218票が勝敗を分けた。
一方で現町政への批判を強めた納谷氏は「背水の陣で臨んだが、力不足で私の不徳の致すところ。やっぱり現職は強かった。今後はゆっくり考えたい」と肩を落とした。
過去3回の町長選の投票率は50%台で、減少傾向が続いていて、今回初めて50%を切ることに。明確な争点が乏しく、政策論争は盛り上がりを欠いた。企業誘致などの同じような公約もあり、町民の関心を高められなかった。
町政に残された課題は多い。JR高崎線神保原駅北側の道路整備が予定されているが、2018年に駅前の大型商業施設が、移転のために閉店。一時は教育機関の移転先候補地となったが、計画は頓挫し、ほぼ活用できていない。
近隣の自治体では小中学校の統廃合も進んでいるが、人口減少が緩やかな町は手つかずの状態で、町の将来を見据えたまちづくりが求められている。25年度の新年度予算案が一時否決されたこともあり、議員の顔触れが変わった町議会への丁寧な説明も欠かせない。正念場を迎える山下町政の3期目は真価が問われる。









