世代交代で市政刷新 埼玉・久喜市長選 新人の貴志氏が初当選 元市議の39歳 現職と新人の三つどもえを制す 「久喜を動かそう」を合言葉に若さをアピール
新人で元市議の貴志信智氏(39)が、3選を目指す現職の梅田修一氏(51)=自民推薦、新人で会社役員の渡辺優氏(73)の2人を破り初当選を果たした久喜市長選。市民が選んだのは2期8年の実績ではなく、世代交代による市政の刷新だった。貴志氏は政策の実現に意欲を示すが、そのためには議会との関係構築と「対応力」が求められる。
「私の活動に共鳴していただいた方々の力を結集して勝ち抜くことができた。15万人の久喜市民のために公平で透明な市政をつくりたい」。当選確実が決まると、久喜市内の選挙事務所は拍手と歓声に包まれた。貴志氏は支援者と共に万歳をして喜びを分かち合い、花束を手に笑顔を浮かべた。
一夜明けた20日は市役所で行われた当選証書付与式に出席。「時間がたつにつれ、うれしさよりも責任感の方が強くなっている。選挙で掲げた政策を着実に実行していきたい」と気を引き締めた。
貴志氏は地道な駅立ちと交流サイト(SNS)を駆使した戦略で知名度を上げ、過去3回の市議選でトップ当選している。選挙戦では、「久喜を動かそう」を合言葉に自転車で遊説して若さをアピール。経験で勝る梅田氏に対抗して浮動票を取り込んだ。
一方、梅田氏は組織力を生かして保守層への浸透を図ったものの、思うように票を伸ばせなかった。「勝利を信じて頑張ってきたが、結果が出せず大変申し訳ない」。敗戦の弁を述べて支援者に頭を下げ、「心の整理がつかない」とこぼした。陣営幹部は前回とは異なり、公明の推薦が得られなかったことに加え「相手からの批判に、うまく対応できなかった」と敗因を分析した。
貴志氏は、新ごみ処理施設のにぎわい機能や検討されている市役所本庁舎の「増築」などを例に「大型ハコモノ事業で財政難に陥っている」と現市政を批判。市議時代から公用車の不適切使用や農地転用問題などを巡り、梅田氏を追及してきた。梅田氏に近い保守系議員からは「今までの経緯がある以上、簡単に歩み寄るわけにはいかない」と厳しい意見も聞かれる。
公約の実現には議会の理解と協力が欠かせない。批判する側から批判される執行部側に回り、対応力も必要になる。「議会が首長をチェックするのは当然。その構図の中で健全な関係をつくりたい」と貴志氏。新市長の手腕が問われている。









