埼玉新聞

 

通行止めだった県道の通行が一部再開…1年2カ月ぶり、橋を仮設 埼玉・八潮の道路陥没事故

  • 一部開通した県道松戸草加線の八潮市中央一丁目交差点付近=15日午前10時前、八潮市

    一部開通した県道松戸草加線の八潮市中央一丁目交差点付近=15日午前10時前、八潮市

  • 【地図】八潮市(背景薄緑)

    八潮市の位置

  • 一部開通した県道松戸草加線の八潮市中央一丁目交差点付近=15日午前10時前、八潮市
  • 【地図】八潮市(背景薄緑)

 八潮市で昨年1月、道路が陥没し走行していたトラックが転落した死亡事故で、県は15日、通行止めになっていた県道の一部通行を再開した。陥没現場の上に仮設の橋を架けた。事故から1年2カ月半ぶりに地域の大動脈が復旧。周辺道路への迂回(うかい)や交通渋滞などを余儀なくされていた地元住民にとって、日常生活を取り戻す足掛かりになる。

 復旧したのは八潮市中心部を東西に走る県道54号松戸草加線の八潮中央一丁目交差点付近。陥没事故以降は約600メートルにわたり通行止めになっていたが、陥没現場の上に長さ約20メートルの仮設の橋を架け、車道と歩道を設けた。片側2車線道路の南側を、暫定的に片側1車線通行できるようにした。道幅は約10メートル。信号や横断歩道はない。

 同日午前10時に工事関係者が仮設のガードレールを取り除き、先導する県の車両の後を一般車両が続いた。道路両側の歩道も通行できるようになった。

 近くに住む木下史江さん(56)は「6差路の交差点が2方向だけでも通れるようになり良かった。再開した後の交通渋滞や迂回するための車の往来が不安。周辺は通学路としても利用される。まだ手放しでは喜べない」と喜びと不安を織り交ぜた。

 再開した県道を歩いた70代の夫妻は「早く前の状態に通行できるようにしてほしい。歩行者にとっては横断できないのでこれまでと一緒」と要望した。

 県は今後、陥没した場所の埋め戻しや下水道管以外のインフラ整備を進め、完全復旧には数年を要するとされる。また、再発防止策として下水道管の複線化などを計画している。

 八潮市によると、事故を巡り市には3月末までに、周辺住民から79世帯から127件の問い合わせがあり、うち18件が周辺の交通対策によるものだった。通行止めだった交差点を迂回するため生活道路に進入する車両への安全対策についての内容が多かったという。

 県道の往来が再開したことにより、市街地周辺の交通量の増加が見込まれる。交差点に隣接する木工製作所の石井信一さん(61)は「渋滞になれば生活道路を回る車も増える。まだまだ先は長い」と話した。

 事故は昨年1月28日に発生。下水管内に転落したトラックの運転席部分から千葉県八街市の男性運転手=当時(74)=が同5月2日に遺体で発見された。

ツイート シェア シェア