埼玉新聞

 

埼玉に生息するツキノワグマは最大690頭と推測 5年前の調査から4倍に増加 急増するクマの目撃…埼玉で緊急銃猟を想定した訓練 クマと人の生活圏を分ける対策も

  • 軽トラックの荷台からクマ役に銃を向ける猟友会の射手(しゃしゅ)ら=14日午後、飯能河原

    軽トラックの荷台からクマ役に銃を向ける猟友会の射手(しゃしゅ)ら=14日午後、飯能河原

  • 【地図】飯能市(背景薄緑)

    飯能市の位置

  • 軽トラックの荷台からクマ役に銃を向ける猟友会の射手(しゃしゅ)ら=14日午後、飯能河原
  • 【地図】飯能市(背景薄緑)

 急増する目撃情報を受けたクマ対策として、緊急銃猟の判断について負担や懸念を感じている市町村を支援しようと、県は14日、飯能市で初めての緊急銃猟想定訓練を行った。見学も含め、県内各自治体や猟友会、警察など約130人が参加し、緊急銃猟実施の手順や役割分担などを確認した。

 緊急銃猟は、クマやイノシシが人の日常生活圏に出没した際に、安全確保などの条件の下、市町村長の判断で銃猟が可能となる制度。全国的に問題となっているクマ被害を受け、昨年から新たに設けられた。埼玉では、2025年度の人身被害はないものの、ツキノワグマ生息状況調査で最大690頭と推測されており、5年前の調査から約4倍に増加。森林と集落を分ける緩衝帯の伐採など、クマと人の生活圏を分ける対策に取り組んでいる。

 訓練は、飯能河原に架かる割岩橋付近に成獣のクマが1頭出没した場合を想定。まず、机上訓練で、国のガイドラインに沿って飯能市が作成したマニュアルを基に、通報から緊急銃猟までの流れを共有。その後、現地に移動し、実際に対策本部を設置して、実働による確認を行った。講師として招かれた自然環境センターの沢辺佳彦上席研究員は、住民への広報や関係者連携など、内部体制の整備やマニュアル作成など事前準備の重要性を伝えた。

 県みどり自然課の佐藤憲野生鳥獣対策幹は「緊急銃猟は手順が多く、クマは生き物として動くため実効性が重要。一方、習性として居座ることも多く、新しい制度の実践的な訓練ができたことは有意義だった」と振り返った。

 飯能猟友会の男性は「普段はクマを捜して撃つが、緊急銃猟はいるところに行って撃つので、いつもと違いがある。自然は生き物で同じ動きをすることはないので、臨機応変にいろいろなパターンを考えておく必要がある」と気を引き締めた。

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