女子高生が死亡…男性に無期懲役の判決、根幹に部落差別か 父が部落出身のジャーナリスト、「冤罪では」と訴える…今も「批判される人と仕事できない」と言われ、交際女性も「親に説明できない」と語り別れる
狭山市で1963年に女子高校生が殺害された事件で、無期懲役を受けた後に仮釈放され、裁判をやり直す再審を求めていた石川一雄さん=享年(86)=の再審無罪を求める市民集会が4日、加須市内で開催された。被差別部落にルーツに持つフォトジャーナリストの片岡遼平さん(43)=さいたま市=が登壇し、約80人の参加者に「狭山事件は被差別部落に対する差別が根幹にある冤罪(えんざい)では」と訴え、自身が受けた差別体験を語った。
片岡さんの父親は兵庫県内の被差別部落出身。自身も長年、人権問題に関する社会活動に参加し、現在は部落解放同盟の機関紙「解放新聞」埼玉支局で編集長を務める。小学生のころから写真が好きで、石川さんが94年12月に仮釈放された直後の姿を撮影するなど、長年交流を重ねてきた。
活動を続ける背景には「部落差別の歴史や実態を知ってもらい、存在を受け入れてもらえる社会をつくりたい」との思いがある。自身もこれまでにあらゆる差別を受けてきた。
東日本大震災の被災地支援で訪れた宮城県内にある建設会社の社長からは「ネットでは君が部落出身と出ていた。部落差別のことは良く分からないが、批判されている人と仕事はできない」と言われた。以前交際していた女性にも、片岡さんの仕事について「親に説明できない」と言われて交際を解消せざるを得なくなった。「今でも差別は根深く残っている」と実感を込める。
近年では交流サイト(SNS)でのヘイトスピーチにも悩まされており、「差別は深刻化している側面もある」。講演では「実態を無視せずに当事者の声を聞いてほしい」と訴えた。
この日は石川さんの妻・早智子さん(79)も会場に駆け付けた。「石川一雄は差別と戦った人生だった。思いを引き継いで再審を勝ち取るために頑張らないといけないと改めて決意できた」と前を向いた。









