埼玉新聞

 

<高校野球>花咲徳栄、DH制で仲良しコンビ活躍 長打ある中森は守備が苦手、俊足・山田はパワー不足…出場機会なく内心腐っていた、セットで試合に 両選手の母ら、アルプスから声援「夢のよう」「泣いちゃう」

  • 中森来翔選手(左)と山田蒼二郎選手

    中森来翔選手(左)と山田蒼二郎選手=26日午後、兵庫県尼崎市内の高校

  • スタンドから声援を送る(左から)中森選手の母幸さん、山田選手の母愛子さん、妹の桜子さん=27日午後、兵庫県西宮市の甲子園球場

    スタンドから声援を送る(左から)中森選手の母幸さん、山田選手の母愛子さん、妹の桜子さん=27日午後、兵庫県西宮市の甲子園球場

  • 中森来翔選手(左)と山田蒼二郎選手
  • スタンドから声援を送る(左から)中森選手の母幸さん、山田選手の母愛子さん、妹の桜子さん=27日午後、兵庫県西宮市の甲子園球場

 第98回選抜高校野球大会第9日は27日、兵庫県西宮市の甲子園球場で準々決勝4試合が行われ、花咲徳栄は智弁学園(奈良)に8―12で敗れた。2安打2打点と活躍した花咲徳栄の中森来翔選手(17)、七回に中森選手の代走で出場した山田蒼二郎選手(17)は、今大会から導入されたDH制度によって出場機会をつかんだ。「夢のよう」―。三塁側アルプススタンドでは、中森選手の母幸さん(47)、山田選手の母愛子さん(49)と妹の桜子さん(11)が両選手の勇姿を目に焼き付け、声援を送った。

 中森選手と山田選手は、昨年の秋季大会ではスタンドでチームを応援する立場だった。グラウンドでプレーする同級生や後輩たちの姿を見て、山田選手は「悔しかった」とこぼし、中森選手は「やる気を失っていた」と内心腐っていたことを明かした。

 中森選手は188センチ105キロの並外れた体格と握力78キロの怪力を生かした長打力が武器。しかし、守備に苦手意識があり、一塁手や外野を転々としていた。山田選手は50メートル走6・1秒の俊足を生かした走塁と外野守備が売りだが、小柄で打撃はパワー不足。2人とも優れた才能を持ちながら、出場機会をつかめずにいた。

 今春からのDH制導入が、彼ら一芸に秀でた選手の追い風となった。特に花咲徳栄はDHが打つ選手と走る選手の複数人を一体となって運用し、3月の練習試合から中森選手と山田選手は2人セットで試合に出るようになった。

 2人はグラウンド外でも大の仲良し。1年生の時は同じクラスで、いつも一緒に行動しているという。中森選手は2人で一つという意味で「にこいち」、山田選手は「恋人未満、親友以上」と絆の深さを語る。

 2人の母親もアルプススタンドで隣に並んで応援した。学生時代にソフトボール部に所属していた幸さんは野球が好きで、中森選手が幼い頃から野球をやるように願っていたという。「ずっとテレビで見ていた光景。夢のよう」と感激した様子だった。愛子さんは「泣いちゃう。親も目指していた舞台。蒼二郎と徳栄に感謝」と感極まった。愛子さんの横で応援に加わった桜子さんは「本気出してほしい」と兄の奮起に期待した。

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