埼玉新聞

 

選挙で運動員に報酬…現金合計42万円を支払う 買収の疑い 長瀞町長を在宅起訴 有罪が確定すれば失職

  • 【地図】長瀞町

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 2023年の埼玉県長瀞町議選や昨年の町長選を巡り、複数の選挙運動員に報酬として現金計78万円を支払ったなどとして、公選法違反(買収)の疑いで、鈴木日出男町長(66)がさいたま地検に書類送検された事件で、同地検は25日、鈴木町長を同法違反罪(買収)でさいたま地検に在宅起訴した。公選法により、公判で有罪判決が確定すれば失職する。

 起訴状などによると、鈴木町長は23年4月に初当選した町議選で、同月下旬から5月上旬までの間、街頭演説会場などで運動用ビラを配布するなどした選挙運動員7人に対して、秩父市内などで報酬として現金合計42万円を支払うなどした。また、昨年6月の町長選でも同様に選挙運動員6人に対して、報酬として現金合計36万円を支払ったとされる。

 この事件を巡っては、有権者らの刑事告発を受けて県警が捜査しており、10日に同法違反の疑いで書類送検していた。公選法では、選挙運動員に対して報酬を支払うことを禁止している。

■鈴木町長「町民に心からおわび」

 鈴木町長は25日の夕方、町役場で埼玉新聞の取材に応じ、「(地検から)連絡も通知も来ていないので、ただただ驚いている」とうつむき加減で語った。

 町議選での不正疑惑が明るみになった2025年11月の会見で、鈴木町長は「事務的な確認ミスで、全ては私の責任」などと謝罪。その後の町議会定例会では、町議に進退を問われる場面が度々あったが、鈴木町長は「今後も町民への信頼回復に努めていく」などと答弁し、町長続投の意思を示していた。

 今回の起訴を受けて、鈴木町長は「有罪判決が出るまでは、気持ちを変えずに、町長として皆さんのために業務に励んでいきたい。このような結果になり、町民に心からおわびしたい」と語った。

 80代の男性町民は「公選法違反の疑いが報道で流れて以降、町じゅうが『信じたくない』と、町長の話題を避けている雰囲気があったのは確か。町長はまだ若く、今後の町づくりを期待していたので、残念」と話していた。

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