埼玉新聞

 

免職…12万円の飲食接待された主幹、裁判で不正認める “価格”教えて業者が謝礼 市長「あるまじき行為」

  • 三郷市水道部を家宅捜索していた県警捜査員=2022年12月5日午後6時ごろ、三郷市茂田井

    三郷市水道部を家宅捜索していた県警捜査員=2022年12月5日午後6時ごろ、三郷市茂田井

  • 三郷市水道部を家宅捜索していた県警捜査員=2022年12月5日午後6時ごろ、三郷市茂田井

 埼玉県三郷市は17日、官製談合防止法違反、加重収賄の罪で起訴された水道部施設課の主幹(51)を、地方公務員法に基づき同日付で免職の懲戒処分にした。監督責任者として木津雅晟市長の給料を20%減額(2カ月分)、事件当時の部長と課長補佐を厳重注意とした。

 主幹は2018年8月6日に行われた北部第二配水場の機械設備更新の一般競争入札で、特定業者の社員に対し予定価格に近い金額を教え、その謝礼として合計約12万円相当の飲食接待等を受けたとして、昨年12月5日に逮捕されていた。

 3日のさいたま地裁初公判で起訴内容を認めたことを受け、処分を決定。木津市長は「法を守るべき立場にある公務員としてあるまじき行為であり、市民の信頼を著しく失墜させたことは誠に遺憾であり、深くおわび申し上げる」などとコメントした。

■主幹「間違いない」 以下は初公判時の記事

 2018年7月、三郷市が発注した配水場施設工事の一般競争入札で予定価格情報を業者に漏らしたとして、官製談合防止法違反と加重収賄の罪に問われた、同市水道部施設課の主幹(51)=同市泉2丁目=の初公判が3日、さいたま地裁であった。主幹は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、主幹が実施した工事予算の見積もりが甘く、工事価格が確保した予算より大幅に超過したことから、施設の設計業務を担当した企業に対し、無理して価格を圧縮させたと説明。主幹は価格を下げたことで入札不調になることを懸念し、「入札を円滑に進めるために、価格を教示して落札してもらおうと考えた」とした。

 一方で、落札した企業の社員らは、以前から知り合いだった主幹が工事担当者と認知すると、情報をひそかに聞き出そうと考え、主幹に飲食の接待を持ち掛けると「主幹も意図を察して応じた」と述べた。

 起訴状などによると、主幹は、18年8月6日に執行した水道工事一般競争入札で、県内に営業所を持つ水道工事会社の男性取締役と営業担当の男性社員=いずれも贈賄罪、時効成立=に秘密事項の予定工事価格に近い額を教えて入札、落札させ、その謝礼として、同年7月~11月までの間、7回にわたり計約11万円の飲食接待などを受けたとされる。
 

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