埼玉新聞

 

<高校野球>浦和学院2安打零封負け 想定以上の球威に 改めて痛感した埼玉の頂点に立つ難しさ

  • 浦和実に敗れ、泣きながらグラウンドを後にする浦和学院の選手たち

 (埼玉大会=20日・県営大宮)

 浦和実は先発豆田が2安打完封。九回の1死一、二塁のピンチも一邪飛と中飛に切って取った。浦和学院は7四死球を得点につなげられず。

■「ねじ伏せられた」

 Aシード浦和実が相手とはいえ、昨夏の甲子園8強の浦和学院がまさかの2安打零封負け。秋、春、夏と今チームは一つのタイトルも取ることなく、終幕した。

 好右腕豆田を攻略することができなかったのが全てだった。「『真っすぐに振り負けるな』と選手たちに言ってきたが、気迫負け。ねじ伏せられた」と森監督は敗戦を受け入れる。想定以上の球威に押し負けた。

 2点を追う九回に意地は見せた。先頭の徳弘が死球で出塁し、1死後に代打の1年生三奈木が左前打でつなぎ1死一、二塁。同点への足掛かりを築いた。だが嶋田は2ボールから打ち上げて一邪飛。じっくり攻めても良かったが、打ち急いでしまった。そして、9番下薗の中飛で万事休した。

 五回に失った2失点目も重かった。1死一塁で遊ゴロを捕球した中前が二塁を踏んで一塁へ送球したが、悪送球で2死三塁とされ、適時打を打たれた。昨秋、今春ともに県2回戦で敗れ、夏に懸ける思いが重圧や焦りとなり、攻守に浦和学院らしさはないままだった。

 昨夏の主力で主将の中前は「『絶対に甲子園に帰るんだ』と臨んだが、甲子園に行くにはいろいろなことが足りなかった。3年間の集大成を出せなかった」とうつむく。埼玉の頂点に立つことの難しさを改めて痛感した夏。悔しさを後輩たちに託した。

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