埼玉新聞

 

同意を得て女性を殺害した男…2015年にも別の女性を殺害で追起訴 初公判で2件の承諾殺人を認める 検察側、被告は小学生の頃から「人を殺したい」と願望 座間事件で発想と指摘

  • 【裁判所】さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

    さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

  • 【裁判所】さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

 さいたま市大宮区の自宅マンションで2018年、同意を得た上で茨城県の女性を殺害したとして、承諾殺人などの罪に問われた、無職の男(32)の初公判が18日、さいたま地裁(井下田英樹裁判長)で開かれた。検察側は起訴状の朗読で、15年にも同意を得て別の女性を殺害したとして、承諾殺人罪で追起訴していたと明らかにした。被告は2件の承諾殺人について「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 検察側は冒頭陳述などで、被告は小学生の頃から「人を殺したい」と願望を抱くようになっていたと説明。小柄な女性を狙った通り魔を考え、練習として通行人のリュックに触れたり、リュックから荷物を盗むなどしていた。街中での犯行は失敗する可能性が高いと判断し、自殺願望者であれば抵抗されず容易に殺害することができると考え、14年ごろから心中に関するネット掲示板で自殺願望者を探していたとした。

 被告は15年、横浜市の女性=当時(22)=を同意を得た上で殺害した。再び自殺願望者を探し、茨城の女性=当時(21)=と知り合った。

 18年1月4日、茨城の女性を殺害することを決意。女性に携帯を初期化させるなどし、遺体を解体するため、ナイフや消臭剤を準備した。女性は「住み込みのアルバイト」などと言って自宅を出て、大宮区の被告方へ向かった。被告は女性に遺書を書かせ、「睡眠薬を飲んだら引き返しません」などと意思を確認。女性が眠ったことを確認し、はしごにロープを結び付け、首を絞めて殺害したとされる。

 殺害後は用意したナイフなどで遺体を解体。頭蓋骨は自室内に飾り、他の骨はプラスチックケースなどに入れて保管していた。

 弁護側は被告人質問を通して主張する方針を示した。

 起訴状などによると、15年10月22日、横浜市の女性方で同意を得た上で女性の首を絞めるなどして殺害。18年1月4日、被告方で、茨城の女性を同意を得た上で殺害した。他にも22~25年にかけて、さいたま市内などでスマートフォン6台など(時価合計約40万円)を窃取したとされる。

■自殺偽装の「遺書」 座間事件で発想と指摘

 承諾殺人罪に問われた男(32)の初公判で、2015年にも同意を得た上で別の女性を殺害していたとして、承諾殺人罪で追起訴されていたことが判明した。

 検察側によると、被告は15年10月、ネットの掲示板で「死にたい」などと投稿していた横浜市の女性=当時(22)=の自宅を訪れ、遺書を書かせて睡眠薬を飲ませた上で、首を絞めて殺害。自殺に見せかけようと、玄関の鏡に遺書を貼り付け家から立ち去った。

 その後、連絡を取れないことを心配した両親が、女性の自宅を訪れ死亡した女性を発見した。被告は殺害の2日後に、女性が死亡したかを確認するため自宅を訪れたが、玄関を開けたところで両親と鉢合わせて逃走した。

 両親の供述調書によると、警察に説明したところ、「興味本位で現場に来る人もいる」と伝えられ、遺書の存在や現場の状況から、自殺だと説明されたという。父親には女性から事件前に「死ぬんじゃなくて、殺されるんだ」という内容のメッセージが届いており、父親は「娘を殺した男が様子を見に来たと思った。犯人を許せません」と訴えた。

 女性の死亡を確認できなかった被告。入念に準備して死亡を確認したいとして、検察側は「その後、神奈川県座間市の9人殺害事件のニュースを見て、自宅で殺害して遺体を解体したいと思うようになった」と指摘し、18年の事件に結び付いたとしている。

 被告は昨年、埼玉県警による自宅の捜索の際に横浜の女性の写真を提出し、「自殺を手助けした人物」と供述し、同年8月8日に承諾殺人の罪で追起訴された。

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