埼玉新聞

 

<高校野球>監督の母他界、市浦和選手ら「勝利を監督の母に」 逆転シード撃破、監督握るウイニングボール

  • 叡明―市浦和 6回裏1死満塁のピンチを三直併殺で切り抜けて喜ぶ市浦和ナイン=市営浦和

 (埼玉大会=18日・市営浦和)

 市浦和は1―2の四回、守屋の二塁打で追い付き、2死満塁から鵜瀬の3点二塁打で勝ち越し。叡明は六回の1死満塁での併殺が痛かった。

■逆転でシード撃破

 思い一つにシード撃破だ。市浦和が四回の一挙4得点で逆転し、叡明に快勝。鈴木監督は「『絶対に勝つんだ』という選手の執念が実った」と興奮冷めやらぬ様子だった。

 二回に2点を許し、1―2とされたが四回に打線がつながった。4番守屋の二塁打で追い付き、その後、2死満塁の好機を築くと9番鵜瀬が「バットに当たった瞬間、『よし』と思った」と、手応え抜群の当たりは中堅手を越える走者一掃の二塁打で3点を勝ち越した。

 この試合、絶対に勝ちたい理由があった。

 17日の練習後のミーティングで、鈴木監督の母敏子さんが14日に70歳で亡くなったことを初めて知らされた。動揺も走ったというが、「次の叡明戦に勝って、ウイニングボールを監督のお母さんに届けたい」。選手たちは、こう誓い合った。

 言葉は最高の形になり、指揮官は「勝つことを目標にしてくれて…。うれしかった」と選手から渡されたウイニングボールを握りしめていた。

 全員でつかみ取ったこの1勝は、単なる1勝ではない。チームの絆はより強固なものになったはずだ。一回に先制打を放った2番長谷川は「チームの雰囲気もいい。粘り強く、勝ちを積み重ねたい」と決意を新にした。

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