埼玉新聞

 

「荒々しいながらも、繊細な面も併せ持つ存在」 サツキ盆栽の作品展「皐樹展」で大賞 さいたま市の礒部さん 大賞受賞は9回目で全国最多 国外のファンから多くの祝福メッセージ「日本の盆栽文化が国外で高く評価されている」

  • 「第38回皐樹展」で大賞に選ばれたサツキ盆栽「華賞」と礒部繁男さん=さいたま市緑区の礒部緑園

    「第38回皐樹展」で大賞に選ばれたサツキ盆栽「華賞」と礒部繁男さん=さいたま市緑区の礒部緑園

  • 「第38回皐樹展」で大賞に選ばれたサツキ盆栽「華賞」と礒部繁男さん=さいたま市緑区の礒部緑園

 プロのサツキ盆栽作家が競う作品展「第38回皐樹展」が1日まで、栃木県内で行われ、さいたま市緑区東浦和の盆栽園「礒部緑園」2代目園主、礒部繁男さん(57)の一鉢「華賞」が最高賞の大賞に選ばれた。礒部さんの大賞受賞は9回目で全国最多。礒部さんのもとには国内外のファンから、偉業をたたえるメッセージが寄せられているという。

 礒部さんはさいたま市出身。短大卒業後の1990年から修業を始め、2001年の第13回皐樹展で初めて大賞を受賞。17年に市内で行われた第8回世界盆栽大会では来場者を前に整姿作業を実演するデモンストレーションを行い、国内外の多くのファンを魅了した。毎年5月にはさいたま市大宮盆栽美術館で「さつき盆栽展」が行われている。

 今回、大賞を受賞したサツキ盆栽「華賞」(かしょう)は樹高約70センチ、幹回り約60センチで樹齢100年以上。昭和初期には鉢植え盆栽となっていたとみられ、礒部さんによると「荒々しいながらも、繊細な面も併せ持つ存在」という。

 力強い根張りの足元からは太く、たくましい幹が伸び、ゆったりと広がる枝ぶりは、植物が葉を茂らせる勢いと、穏やかさ、繊細さとを兼ね備えている。鉢の正面から幹を見上げると、葉の隙間から白い光が注ぎ、まるでうっそうとした森にたたずむ、神秘的な巨木を思わせる威厳をたたえている。

 礒部さんは2月に東京都内で行われた日本盆栽協会の第100回「国風盆栽展」と皐樹展へ向け、昨年10月ごろから本格的に手入れを実施。色やつやの維持に心を砕き、丁寧な温度管理に努め、整姿の際には集中力が途切れぬよう、一人きりになり、生きている樹木の顔を見るようにして日々、この一鉢と向き合ってきたという。

 礒部さんのもとには、これまで交流してきた特に国外のファンから多くの祝福メッセージが届いているという。礒部さんは「海外からのメールを見ると、日本の盆栽文化が国外で高く評価されていることに気付かされる。担い手の一人として足元を固め、文化を次の世代に引き継いでいきたい」と話している。

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