埼玉新聞

 

動物虐待へ迅速に対応 埼玉県警と県獣医師会が協定 埼玉の全39警察署に担当の獣医師を割り振り 専門的立場から意見→事件の初動捜査の効率化が期待 「動物の命を大切にする道徳感を踏みにじる行為は、いつ人に向けられるか分からない」

  • 協定を締結した県警の石井堅次生活安全部長(右)と県獣医師会の中村滋会長=さいたま市浦和区の県警本部

    協定を締結した県警の石井堅次生活安全部長(右)と県獣医師会の中村滋会長=さいたま市浦和区の県警本部

  • 協定を締結した県警の石井堅次生活安全部長(右)と県獣医師会の中村滋会長=さいたま市浦和区の県警本部

 虐待事件などに巻き込まれた動物の調査体制を整えようと、県警生活経済課と県獣医師会は、動物虐待事案調査に関する協定を締結した。協定締結により、県内全39警察署にそれぞれ担当する獣医師が割り振られ、より迅速な初動捜査への対応が期待される。

 同課によると、県内で昨年1年間に動物が虐待されるなどして摘発された件数は前年から2件減少し17件。うち捨て猫など所有権を放棄する遺棄事件が9件で最も多かった。事件性が疑われる相談は32件寄せられ、うち虐待に関するものは22件で最多だった。県内では直近数年間、少年が猫の死骸を切断してさいたま市内の学校や公園などに遺棄した事件や、動物繁殖施設の従業員による虐待事件などが起きている。

 協定では、県内で動物の不審死事案が発生した際、39警察署に割り振られた158人の担当獣医師が早急に動物の傷を診て判断し、専門的立場から意見を聞くと取り決めた。保健所の閉庁時や管内に保健所がない警察署でも対応が可能になり、事件の初動捜査の効率化が期待される。担当医師のいる動物病院には「動物虐待防止協力動物病院」と記されたプレートが県警と県獣医師会から贈られる。

 協定の締結式はさいたま市浦和区の県警本部で行われ、県警の石井堅次生活安全部長と県獣医師会の中村滋会長が出席した。石井部長は動物虐待事案について、「動物の命を大切にする道徳感を踏みにじる行為は、いつ人に向けられるか分からず大きな危険性がある」とした上で、「捜査がより迅速で的確に推進されると期待している」と述べた。中村会長は「獣医師免許を県民のために役立てることが獣医師会の使命。気を引き締めて協力する」と話していた。

ツイート シェア シェア