埼玉新聞

 

秩父札所、12年に一度の貴重な機会 3月18日から「総開帳」 秩父地域に点在する34カ所の寺院が一斉に御開帳 普段は秘仏として納められている厨子内の観音様を直接拝むことができる 市職員のお薦めルートも

  • 札所巡りの魅力を紹介する宮城敏さん=1月、秩父市東町の秩父札所13番・慈眼寺

    札所巡りの魅力を紹介する宮城敏さん=1月、秩父市東町の秩父札所13番・慈眼寺

  • 【地図】秩父市(背景薄緑)

    秩父市の位置

  • 【地図】横瀬町(背景薄緑)

    横瀬町の位置

  • 【地図】皆野町(背景薄緑)

    皆野町の位置

  • 【地図】小鹿野町(背景薄緑)

    小鹿野町の位置

  • 札所巡りの魅力を紹介する宮城敏さん=1月、秩父市東町の秩父札所13番・慈眼寺
  • 【地図】秩父市(背景薄緑)
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  • 【地図】皆野町(背景薄緑)
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 秩父地域に点在する34カ所の寺院が一斉に御開帳を行う、「秩父札所午歳(うまどし)総開帳」が、3月18日から始まる。普段は秘仏として納められている厨子(ずし)内の観音様を直接拝むことができる、12年に1度の貴重な機会だ。札所1~34番の一巡は約100キロ。秩父市出身で同市財務部の宮城敏さん(60)は、素朴な街並みをたどり、徒歩巡礼で8年以上かけて34巡(総距離約3400キロ)を達成した。「一巡はあっという間。今回の総開帳を機に、都心部の方も気軽に秩父を訪れ、深い縁を結んでほしい」と熱く語る。

■テーマを変えて

 宮城さんは、12年前と24年前の総開帳時に、市観光課職員として誘客促進事業に携わった。「子どもの頃は、札所の存在は気にも留めなかった」が、24年前に巡礼企画を担当したことで、秩父札所の魅力を知った。初めての1巡は、古道の点検業務を兼ねて歩き、4日ほどで達成。「ある時は谷を渡り、山路をたどり、野づらを横切って―。秩父札所の案内文通りの道のりで、爽快だった」と、当時を振り返る。

 「毎回テーマを変えて、34巡してみよう」と決意した宮城さん。季節によって色を変える巡礼道の風景を堪能しながら、各札所の個性的な花を見つける巡礼、境内にある奉納額や石碑をじっくり観察する巡礼、札所周囲の地形や地質を意識した巡礼などを重ねた。

■順路は自由

 順路を変えるのも、「楽しみ方の一つ」という。札所1番(四萬部寺・秩父市)から出発して34番(水潜寺・皆野町)で満願となる基本ルート「順打ち」や、34番から逆順して1番を目指す「逆打ち」。その他、かつて1番札所だった現17番(定林寺・同市)から巡るルートや、観光・グルメスポット巡りを兼ねたルートなど、「順路は自分の好みで良し」。

 秩父札所連合会によると、現在の札所の番付けは、関東1都6県に点在する33カ所の観音霊場「坂東札所」の巡礼者が、坂東札所9番(慈光寺・ときがわ町)の参拝後に、秩父札所へ立ち寄り、再び坂東札所10番(正法寺・東松山市)へ向かうルートを想定し、道が整えられた。

 同会事務局長の斉藤雄大さんは「回りやすいのは順打ちだが、順路は特に決まりはない。今は、全ての秩父札所に駐車場があり、道路整備もされているので、長瀞、飯能、山梨の各方面から車やバイクで巡る方も増えている」と説明する。

■札所ガイドが返礼品に

 秩父札所午歳総開帳を盛り上げようと、市は宮城さんが市内の札所をガイドする「歩いて楽しむ秩父の巡礼古道」ツアーを、ふるさと納税の返礼品に採用した。寄付額5万円以上が対象で、ツアー参加者には、宮城さんが執筆した札所巡礼の小冊子がプレゼントされる。

 宮城さんは「全行程約1300キロの坂東札所と比べれば、都心から近い秩父札所は、秩父谷だけで完結するコンパクトな巡礼古道。度々秩父を訪れ、自然、観光、歴史、文化を同時に感じてほしい」と話していた。

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