痛ましい…高2死亡、窓から身を乗り出して車が横転 夜のグラウンドで 隣で17歳が運転か 今まで車の屋根、ミラーが破損も…教職員らは「把握していない」 事故原因を公表 死亡の生徒、車体と地面に挟まれたか
さいたま市西区の私立埼玉栄高校のグラウンドで2024年11月、同校の生徒らが整備用の軽乗用車を横転させて男子生徒=当時(17)=が死亡した事故を巡り、同校は16日、専門家らでつくる第三者委員会による事故の調査報告書を公表した。報告書では、学校側の生徒や車両などに対する管理体制の不備が野放しにされていたことなどが事故の背景にあると指摘され、抜本的な再発防止策が求められると結論づけた。
事故は同校の校舎から約2キロ離れたグラウンドの陸上競技トラックで発生。事故当時はいずれも同校の寮で生活していた1~2年生の男子生徒4人がサッカー部のグラウンド整備用車両に無断で乗り込み運転し、のり面に衝突した際に横転。助手席に乗車していた男子生徒が死亡した。県警は昨年11月、運転していた当時17歳の男子生徒を自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで書類送検し、学校側についても業務上過失致死の疑いで引き続き捜査している。
事故が起きた原因については、車両が無施錠だったことで無断運転が容易な状況だったことや、学校側がこれまでの無断運転の事実を覚知できなかったことなどを挙げた。
校内規程では、車両は学校側が備品として把握するべきだったが、長期にわたって備品管理の一覧表が更新されておらず、制度が形骸化し、車両が備品として把握されていなかったことが判明。「組織的な管理対象から欠落することとなり、車両の管理不備が野放しにされる背景になった」と指摘し、点検などの安全管理体制が学校側に存在していなかったとしている。
また、男子サッカー部では部長や総監督、監督、複数のコーチが関与していたが、安全管理などの職責分担が明確に定められておらず、監督個人に業務や責任が集中していたと分析。これまでにも車両が損壊する事案などがあったが、監督の場当たり的な対応が続き、結果として学校側と連携しながら是正するガバナンスもなかったとした。
再発防止策では、部活動に関する備品管理や職責の所在についてのガバナンス体制を再構築することや、同校にはなかった安全管理を所管する学内組織の創設など13の項目を提案。遅くとも27年度までに、全ての項目を実践するべきとの見解を示した。
同校を運営する佐藤栄学園(さいたま市大宮区)は16日、「報告書の内容を重く受け止め、二度とこうした痛ましい事故が発生しないよう、再発防止策などの具体化に向けて取り組む」とコメントを出した。
■無断運転が常態化 教職員「事実把握できず」
第三者委員会の調査報告書によると、事故車両は2022年8月に男子サッカー部が購入していた。複数の教諭やコーチら指導者が練習後に整備器具を取り付けて走行させていたが、遅くとも同年11月ごろから、利便性の目的で鍵を車両内で保管するようになり、車両は無施錠になったという。
生徒による無断運転もおおむね同時期に始まったと考えられ、当初は野球部の一部生徒に限定されていたものの、その後に部内や同部の生徒が生活していた寮内にも広まり常態化。サッカー部にも波及し、事故が発生するまでの約2年間にわたり、20回以上繰り返されたとしている。
無断運転の過程で、車両の屋根やサイドミラーが破損する事案も発生していたものの、委員会の調査では、無断運転の常態化について男子サッカー部の指導者や寮関係者、同校の教職員らは「事実を把握していなかった」などと説明しているとした。
■どんな事故だった 助手席側を下に横転、後部座席の2人が加勢か(以下2025年11月4日配信、書類送検前の記事)
さいたま市西区西遊馬の埼玉栄高校のグラウンドで2024年11月16日夜、同校の生徒らがグラウンド整備用の軽乗用車を運転し、横転させて助手席の男子生徒=当時(17)=が死亡した事故で、県警は近く、運転していた男子生徒(17)を自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで、さいたま地検に書類送検する方針を固めたことが捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、車両管理に不備があったとみられ、埼玉栄高校を運営する学校法人佐藤栄学園側を業務上過失致死の疑いで捜査している。
事故は昨年11月16日午後11時半ごろに発生。書類送検された男子生徒が運転する軽乗用車がグラウンド脇にあるのり面に乗り上げ、助手席側を下に横転した。助手席と後部座席に計3人の男子生徒が同乗しており、死亡した男子生徒が助手席の窓から身を乗り出していたため、車体と地面に体を挟まれたとみられる。男子生徒は頭を強く打って死亡した。後部座席の男子生徒1人も軽傷を負った。
捜査関係者によると、県警は運転していた男子生徒を過失致死傷容疑で書類送検するとともに、遺族側からの告訴に基づき傷害致死の容疑で書類送付する。後部座席に同乗していた男子生徒2人を運転していた生徒の行為に加勢したとして、現場助勢容疑で書類送付する方針という。










