安全な通学路、どう選ぶ…交通量や急ブレーキ多発地点などの運転状況を可視化 データを基に策定へ 建物の老朽化や少子化で学校を統廃合する埼玉・嵐山 開校は3年後、損保会社などと協力して調査
建物の老朽化や少子化による学校の統廃合で嵐山町の町立武蔵嵐山小・中学校は2029年春に開校する。町では3年後の開校を前に、あいおいニッセイ同和損害保険埼玉西北支店、埼玉縣信用金庫と協力して町内主要道路の交通状況を今月末日までの1カ月間調査する。最新のデジタル技術を駆使して速度超過など車の危険挙動が発生しやすい場所を地図上にマッピング。客観データに基づき、安全な通学路策定に生かされる。
■危険箇所を可視化
この取り組みは、あいおい損保のテレマティクス技術を用いて車の交通量やルート、運転者のスマートフォン使用や急ブレーキ多発地点などの運転状況を可視化するもの。「テレコミュニケーション(電気通信)」と「インフォマティクス(情報学)」を組み合わせた技術だ。
通常は映像録画用カメラ、全地球衛星測位システム(GPS)などの車載器と移動体通信を利用し、保険契約者にさまざまな情報・サービスを提供する。今回は車内に装着したICタグとスマホを連動し、個人が特定されない形で走行情報を収集する。
タグ内の電池は衝撃で揺れるように設計され、急な制動があればデータとして記録される。参加者は専用アプリを使って自分の安全運転診断と二酸化炭素(CO2)排出削減量をゲーム感覚で確認できるという。
■汎用データで応用も
調査は今月1日から28日までの1カ月間。縣信金嵐山支店が地元商工会や社会福祉協議会などに声がけし、協力者を募った。役場職員や町議らも加わり、有志158人が参加している。
国道などの主要幹線道路をはじめ、地元住民しか知らない生活道路を普段通りランダムに使ってもらうことで、より汎用性の高いデータを集める。
あいおい損保の技術を使って交通状況を調査する自治体は、加須市、川越市などに続き県内5例目。下村治町教育長は「中学生になると自転車通学が増えるので、より広範囲の客観データを集めたい。安心安全なまちづくりにつながれば」と期待する。技術協力するあいおい損保の山田高裕埼玉西北支店長は「朝夕の通学時間帯や曜日単位など細かなデータが取れるので、さまざまな施策に活用いただきたい」と自信を見せた。
武蔵嵐山小・中学校は、現在の町立小学校3校(菅谷、志賀、七郷小)と中学校2校(菅谷、玉ノ岡中)を29年4月、現在の菅谷小の敷地内に新築される校舎にそれぞれ統合。遠距離通学支援として公費でスクールバスを導入するほか、遠方の中学生には電動アシスト付き自転車を購入する際の補助制度も計画している。
23年度の町内の児童生徒数は1052人で、ピーク時(1982年度)の2924人から64%減。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、35年の町内の年少人口(0~14歳)は20年比で約34%減、さらに10年後の45年は約50%減になる見込み。










