埼玉新聞

 

流通量少く「幻の味」…ジューシーな味わいが食通に人気、県産ブランドの高級地鶏「タマシャモ」 愛情込めて育てた川越総合高、本年度は1羽も死なずに出荷

  • 元気に育ったタマシャモを抱く生徒ら

    元気に育ったタマシャモを抱く生徒ら=10日、県立川越総合高校

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 学校内の鶏舎で県産ブランドの高級地鶏「タマシャモ」を育てている県立川越総合高校(川越市)で10日、今年2度目となる出荷作業が行われた。通常のブロイラー(肉用鶏)は、ふ化から出荷まで3カ月程度だが、タマシャモの場合は約2倍の5カ月間。流通量が極めて少ない「幻の味」として珍重されている。

 タマシャモは1984年に県養鶏試験場(現農業技術研究センター)が大和軍鶏(シャモ)、大シャモ、ニューハンプシャーの3種を交配して誕生した。現在は坂戸市と深谷市の養鶏農家2軒のみで生産され、対応できる加工処理も5業者に限られる。

 現在の生産量は年間約2万2千羽と地鶏の中でも極めて少なく、流通量は全体の2%以下。その希少性と歯応えある食感、うまみが詰まったジューシーな味わいで食通に人気だ。

 同校では毎年、選択授業の一環として2年生が卵のふ化や餌やり、3年生が商品開発や販売などに携わっている。2023年度からは飼料に県立狭山工業高校(狭山市)の生徒らが栽培した和紅茶の茶葉を混ぜ合わせる試みも行われ、鶏の死亡率は半減。本年度は1羽も死なずに出荷までこぎ着けた。

 この日は始業前に2年生10人が出荷作業に当たり、専門業者に全80羽を引き渡した。今後、市内の飲食店やレトルト食品などの具材用に処理されるという。愛情を込めて育てた“わが子”を無事に送り出した大滝南さん、首藤真桜さん、長沢美彩翔さんの3人は「健康で大きく育ってくれて良かった」と笑顔。白石直子教諭は「食品流通や畜産業への理解とともに食材への感謝、命の尊さも学んでもらえたら」と話す。

 同校は昨年12月、狭山工業高校と合同でさいたま新都心で行われた県農畜産物の展示・商談会に初参加。全国のバイヤーにタマシャモ入りのレトルトカレーなどをアピールし、販路拡大にも取り組んでいる。

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