高市人気を追い風に歴史的な決着…自民・県連会長が総括、「日本を強く豊かな国に」受け入れられた 一方で不安の声も「今回は賛同を得たが」 維新、吉村代表より高市さんを前面→「自民でいい」に
高市早苗首相の人気を追い風に、自民が県内全16小選挙区で勝利を収めた。県内の選挙区独占は1996年衆院選で現行の小選挙区制が導入されてから初。支持政党や世代を問わず、幅広い支持を得たことが出口調査の結果などにも表れた。県連会長の古川俊治は「日本を強く豊かな国にという未来へのメッセージが受け入れられた」と総括し、県連幹部は「2012年の政権奪還のような、保守回帰の熱気を感じた」と歴史的決着をかみしめた。
■珍しい相乗りも
今月3日、高市首相が1区村井英樹の応援に入り、北浦和公園(さいたま市浦和区)の一角を埋め尽くした。党本部発表で1万2千人を集めた街頭演説会には、さいたま市を選挙区に含む5区井原隆、15区田中良生の姿もあった。「今では本当に珍しい」(県連幹部)という応援の相乗りは、中道の枝野幸男に挑む井原の参加を役員が提案し、村井サイドが快諾。田中も参加する形で実現した。
井原が自身の交流サイト(SNS)にアップロードした高市首相とのツーショットは、他の投稿の10倍近い表示回数を記録。全地域で枝野の票を上回り、相手の地盤である大宮区でも4287票差をつけた。井原を応援した県議は「SNSで若者を引き付けた。逆転まで届くと思わなかった」とうなった。
6区尾花瑛仁、14区藤田誠の両新人も終盤の猛追で相対したベテランに土をつけた。尾花は地元上尾で中道・大島敦に1万票以上の差をつけ、鴻巣、桶川でも上回った。国民・鈴木義弘の胸を借りた藤田は、互いに地元の三郷で食らい付き、草加、八潮の票で競り勝った。
■強大な敵で結束
26年にわたる連立を解消した公明が立民と新党を組んだことで、「本当に強大な敵が現れた危機感があった」(県連幹部)と、地方議員や支持者の結束につながった。自民党本部は今回、埼玉14区をはじめ、公明が候補者擁立を検討していた小選挙区の公認を1日遅らせた。県連幹部は「最後まで出方を見て、公明支持層に仁義を切った」と意図を明かし、2、13、14区では公明支持層の2割前後から得票した。
前回「政治とカネ」の逆風で落選した13区の三ツ林裕巳ら元職の3人も日を追うごとに支持を広げた。候補者の一人は「厳しいときはビラ配りや街宣車の演説で立ち止まってくれない。今回は演説であっという間に人だかりができて話を聞いてもらえた」と実感を込めた。
一方で、今回の大勝を「民主主義本来の役割としてはあまりいい傾向ではない」と捉える県連幹部もいる。武田信玄の「五分の勝ちでよい」とする教訓を挙げ、「どっと流れる世の中の傾向は不安に感じる。今回は有権者の賛同を得たが、逆に正しい訴えが通じないこともあり得る」。閣僚経験者も「現場目線を忘れず、かぶとの緒を締めて謙虚に進む」と引き締めた。
■党勢拡大難しく
日本維新の会は連立与党入り後、初めて国民の審判を受けた。自民とは選挙区調整を行わず、2区で過去2回比例復活した県総支部代表の高橋英明も議席を失い、「吉村代表より高市さんを前面に出す選挙になり、『自民でいい』と受け止められた」と政党支持の低調ぶりを嘆いた。
短期決戦で候補者をそろえ切れず、高橋は「連立を組んでいると議席を増やしようがなくなる。地方議員から発掘できるといいが、身を切る改革と、勝てる保証もないから集まらない。1議会に1人じゃ増えていかない」と、連立与党の立場で党勢拡大を図る難しさを口にした。=敬称略










