埼玉新聞

 

異臭…教諭だった女、児童に漂白剤を食べさせたい理由は「修学旅行」法廷で認める 当時は学年主任だった

  • 現場となった富士見市立水谷東小学校=2022年9月16日午後0時半ごろ、同市水子

    現場となった富士見市立水谷東小学校=2022年9月16日午後0時半ごろ、同市水子

  • 現場となった富士見市立水谷東小学校=2022年9月16日午後0時半ごろ、同市水子

 昨年9月、勤務する小学校で給食用のカレーに漂白剤を混ぜたとして威力業務妨害の罪に問われた、埼玉県富士見市立水谷東小学校元教員で無職の女(25)=川越市小仙波町5丁目=の初公判が10日、さいたま地裁(黒田真紀裁判官)で開かれ、女は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は懲役2年を求刑、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて即日結審した。判決は27日。

 冒頭陳述で、検察側は女が2年間担当していた学年を受け持たせてもらえず、不満から修学旅行の前日に、担任を希望していた6年生の給食用カレーに漂白剤を混入したと説明。「自分のいないところで楽しい思い出をつくられるのが嫌だ。おなかを壊せば万全の状態で修学旅行に行けなくなる」と考えたと指摘した。

 論告で検察側は動機について「身勝手で自己中心的。酌量の余地はない」と強調。犯行前日に薬局で購入した漂白剤が入ったリュックを学校に持参していて「計画的な犯行すらうかがえる」と述べた。

 弁護側は3年生の学年主任を担い多忙な上に、依頼される仕事量が多くストレスや疲労を抱えていたと主張。使用した漂白剤については「たまたま(リュックに)入っていた。犯行は発作的だった」として、寛大な判決を求めた。

 起訴状などによると、女は昨年9月15日、小学校の配膳室で6年生の給食用カレー入り食缶に台所用漂白剤を混ぜ、教員らに他の食缶の安全を確認させるなど正常な業務遂行を妨げたとされる。配膳係の児童が異臭に気付いたため児童らに健康被害はなかった。女は今年1月に懲戒免職処分を受けている。
 

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